著者
栗田 明良 天明 佳臣 中野 いく子 奥山 正司 鈴木 春子 宮田 和明
出版者
(財)労働科学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本調査研究は、ホームヘルパーや訪問看護婦等の労働・生活時間構造の分析を通じて在宅での24時間介護の展開条件にアプローチし、以てホームヘルパー等の「適正な活動条件」の整備と「適切な人材」の確保に資することを目的として取り組み始めたものである。しかし、介護保険法の2000年4月実施に向けた「事業費補助方式」への移行に伴って「24時間対応(巡回型)ホームヘルプ」という概念それ自体が法制上から消え、本調査研究の遂行にあたっても大幅な手直しを迫れらることになった。「24時間対応型」在宅介護サービスに対するニーズとサービス提供の現状を俯瞰するために在宅介護支援センターの活動実態を把握し、その上でホームヘルパーや訪問看護婦(士)の生活時間調査を実施するという迂回的な方法を採用せざるを得なくなったのであるが、結果的には、介護保険制度の導入直前における在宅看・介護労働従事者の生活時間構造を通して、24時間対応の展開条件を探ろうとした本調査研究の狙いは曲がりなりにも達成し得たものと考えている。ちなみに、「24時間対応型」在宅介護サービスの展開条件をめぐる主な論点を列挙しておくと下記のとおりである。(1)夜間巡回介護サービスのニーズをめぐって、料金設定を含む利用諸条件の見直しを試みること。(2)就業形態の多様化をめぐって、いわゆる「多重勤務」や「直行直帰」と「空き時間」問題等の実態を把握し、的確な雇用管理体制を確立すること。(3)昼間業務と夜間(巡回)業務の連続勤務を回避すべく要員の確保と適正な配置等を図ること。(4)持続可能なサービス提供のあり方について全面的に再検討を加えてみること。