著者
村上 英樹 村木 克行 野口 泰彦 鈴木 清貴
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.114, no.Supplement, pp.S111-S120, 2008-09-18 (Released:2011-12-22)
参考文献数
16

秋田県北部には,珪藻土,パーライト,ゼオライト等の非金属鉱床が数多く分布しており,また,その埋蔵量も非常に大きい(第1図).珪藻土は,新第三紀中新世女川期の深海底に堆積した植物プランクトンが続成作用を経て形成された非金属鉱床で,良質なものが北秋田市に分布している.パーライトは,鮮新世に礫岩を主とする前山川層に貫入した流紋岩が水和作用を受けて変質・形成された岩石で,分布範囲は北秋田市米内沢地域に限られるものの,その鉱量は比較的大きい.ゼオライトは,珪藻土堆積後の中新世船川期に噴出をした上部七座凝灰岩の中部層に賦存しており,同凝灰岩の分布域(能代市二ツ井から藤里町)に沿って鉱床が点在している.本見学旅行では,これら非金属鉱床を巡り,産状を観察すると共に試料を採取する.また,これら岩石が工場にて精製されて製品になる過程も見学する.