著者
木股 三善 西田 憲正 村上 英樹
出版者
一般社団法人 日本鉱物科学会
雑誌
鉱物学雜誌 (ISSN:04541146)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.45-58, 1994-04-30 (Released:2009-08-11)
参考文献数
91
被引用文献数
1 1

This paper reviews on crystal chemistry of plagioclases and geochemical roles of their megacrysts including native coppers and hydrocarbons, discussed in two parts.Part I. Structural classification of feldspar compositions can be allocated into four types; feldspar, paracelsian, hexacelsian and hollandite structures. Though the phase relation between the first and the second types has been open to question, recent probing of their isotropic temperature factors and bond-valence theory to the M-sites intensifies that feldspars are in the wide stability field from low to high temperatures under low pressures, and that high pressure and low pressure are the preference field for paracelsians. Though very common in north-east part of Japanese island and Izu-Bonin arcs, anorthite megacrysts have never been found in other districts in Japan and have been rare in world-wide occurrences. Native coppers, verified by chemical shift method of EPMA and X-ray microdiffraction, are found to be included by anorthite megacrysts from Japanese island arc and by labradorite ones from the continental margin of North America. These anorthites in the basaltic lavas are of approximately 1 to 3 cm size and often contain several corroded Mg-olivines scattering as single crytals less than a few mm long. The plagioclase megacrysts show no chemical zoning, but the anorthites with the Al/Si ordered state have partings developed in places whereas the labradorites are of the AUSi disordered structure indicative of high temperature type. Each role in their plagioclase structure establishes Mg, Fe, Al and Si cations as a few minor endmembers of CaFeSi3O8, CaMgSi3O8, AlAl3SiO8 and_??_Si4O8 for the solid solutions. Furthermore micro-inclusions of native zinc, copper and brass scattering in the red-clouded anorthite megacryst frozen by the supercooling environment could have an implication for a precusor to Kuroko deposits. Review (1) discusses both structural tolerance of plagioclases and their megacrysts including native coppers.
著者
村上 英樹 村木 克行 野口 泰彦 鈴木 清貴
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.114, no.Supplement, pp.S111-S120, 2008-09-18 (Released:2011-12-22)
参考文献数
16

秋田県北部には,珪藻土,パーライト,ゼオライト等の非金属鉱床が数多く分布しており,また,その埋蔵量も非常に大きい(第1図).珪藻土は,新第三紀中新世女川期の深海底に堆積した植物プランクトンが続成作用を経て形成された非金属鉱床で,良質なものが北秋田市に分布している.パーライトは,鮮新世に礫岩を主とする前山川層に貫入した流紋岩が水和作用を受けて変質・形成された岩石で,分布範囲は北秋田市米内沢地域に限られるものの,その鉱量は比較的大きい.ゼオライトは,珪藻土堆積後の中新世船川期に噴出をした上部七座凝灰岩の中部層に賦存しており,同凝灰岩の分布域(能代市二ツ井から藤里町)に沿って鉱床が点在している.本見学旅行では,これら非金属鉱床を巡り,産状を観察すると共に試料を採取する.また,これら岩石が工場にて精製されて製品になる過程も見学する.
著者
村上 英樹 小林 祐記 大島 洋紀 小田野 直光 澤田 健一 大西 世紀 近内 亜紀子 奥田 博昭 村木 克行
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集 2006年春の年会
巻号頁・発行日
pp.56, 2006 (Released:2006-04-06)

珪藻土は、多孔体であると同時にSiO2を主成分とするため、耐熱性を持つ。また、溶液化したジルコニウムやハフニウムと親和性があり、フッ化水素酸を除く酸性溶液にも耐性があるため、これら元素及びホウ素など、放射線遮蔽効果を持つ元素の添加が容易である。本研究では、珪藻土の放射線遮蔽素材としての適性を評価した。
著者
村上 英樹 木股 三善 下田 右 伊藤 英司 佐々木 聡
出版者
日本岩石鉱物鉱床学会
雑誌
岩鉱 (ISSN:09149783)
巻号頁・発行日
vol.87, no.12, pp.491-509, 1992-12-05 (Released:2008-03-18)
参考文献数
37
被引用文献数
2 8

合成された純粋な灰長石,それぞれMgO, SiO2に富んだ灰長石を, EPMAと四軸自動X線回折装置を用いて化学組成と格子定数の測定を行い,三宅島産灰長石との比較を行った。複合イオン置換に基づく検討から,天然及び合成の灰長石は, MgをCaMgSi3O8, 過剰のSiは ?? Si4O8端成分として,固溶する可能性が指摘された。さらにMgに対するこの端成分を確認するため, EPMAによるMgの化学シフトを解析した。その結果,合成灰長石に固溶されるMgは,オケルマナイト(Ca2MgSi2O7) 中のMgと同じ四配位席を占有することが示唆された。また, X線単結晶回折法からは, Mgの固溶量が増加するに従って,単位格子の体積が増加する傾向が明らかになった。以上のことから灰長石におけるMgの固溶は,雲母,角閃石,輝石に認められる通常のTschermak置換, Mg+Si ?? ;2Al, とは異なり,四配位席だけでのTschermak置換が,メリライトと同様に灰長石においても成立することを明示している。
著者
村上 英樹
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

1.貨物航空会社の提携による規模の経済と範囲の経済に関する分析本研究は、インテグレーター化する航空会社が、従来型の航空会社に対し、垂直的差別化行動をとると仮定し、そのための投資が、航空会社の利潤にどのように影響するかを経済理論モデル化した。その上で、モデルの現実妥当性を部分的に実証した。理論モデルによると、垂直的差別化を行う航空会社は出来るだけ支出を抑えながら差別化のための投資をする。実証分析では、費用関数を推定することにより、近年高度なサービスを提供するインテグレーターが費用削減行動をとっていることが実証された。2.国内便・国際便提携による乗り継ぎ利便性の要因分析次に、国内線を経由して海外に出国しようとする旅客に対してアンケート調査を行い、国内線運航航空会社と国際線運航航空会社が提携して、乗り継ぎの接続の利便性を図ろうとする場合に、どのようなスケジューリングを行えば旅客の利便性が向上するのかを統計的に計測したとともに、利便性の判断基準となる旅客の時間価値をビジネス旅客と旅行客とについてそれぞれ算出した。ビジネス旅客にとっては、時間が有効に活用されないという理由から、早めに到着する場合に利便性が低いということが判明した。従って、旅客サービス向上のためには、国内線運航航空会社と国際線運航航空会社が密に提携することが必要であるとした。3.非提携・独立系航空会社の市場行動と市場成果独立系航空会社である米国のLCCによる単独参入の経済効果を測定した。それによると、LCCの参入は、市場価格を引き下げると共に輸送量を増大させ、消費者余剰を増加させること、その効果は大手との同一空港における直接的競争のほうが、近隣空港への参入よりも効果が大きいこと、またサウスウエスト航空の参入によるプラスの経済効果は長期間持続するのに対し、それ以外の航空会社のプラスの参入効果は2〜3年で終息し、やがてマイナスの経済効果に転じることが明らかとなった。4.LCCによるアライアンスの経済効果大手航空会社に対するLCCの強みは「無駄なサービス」を廃止したという意味での垂直的製品差別化、低費用性、及び輸送密度の経済性であることに着目し、LCCアライアンスがプラスの国民経済的効果を持つためのこれら3つのパラメータの範囲を確定した。
著者
竹中 康治 加藤 一誠 村上 英樹 手塚 広一郎 吉田 雄一朗 浦西 秀司 辻本 勝久 乾 友彦 乾 友彦 井尻 直彦 呉 逸良 轟 朝幸 村上 英樹 松本 秀暢 手塚 広一郎 吉田 雄一朗 辻本 勝久 浦西 秀司 三枝 まどか
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

日本の航空・空港政策には改善すべき点が多い。まず, 航空の自由化は経済学的にも望ましいことが証明された。なぜなら, 二国間協定よりも多国間協定の方が経済厚生は大きくなり, 低費用航空会社の参入も経済厚生を改善するからである。そして, 規制の強化ではなく, 市場を通じた航空会社の安全性の向上も可能である。また, 空港政策については必ずしも所有・運営に民間の参入が望ましいとはいえない。同時に, 格付けのあるレベニュー・ボンドには空港の運営規律を維持する作用があることも明らかになった。