- 著者
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鈴木 睦美
山田 正幸
高橋 朋子
- 出版者
- 群馬県畜産試験場
- 雑誌
- 群馬県畜産試験場研究報告 (ISSN:13409514)
- 巻号頁・発行日
- no.7, pp.113-121, 2001-03
土壌を用いた尿汚水処理技術を開発するため、最初に前処理技術を検討した。前処理としての沈殿処理では6〜8時間程度の静置が効率的であった。濾過処理での濾材の比較ではオガクズが最も早く目詰まりを起こしたが、CODを除く各水質項目で最も良好な成績であり、1ヶ月程度の使用が可能でオガクズが適当と考えられた。また、濾過槽を2つ用意し交互に使用することで、長期間休ませることが可能となり、能力の回復につながった。次に、土壌槽の高さ別試験では、現時点では100cm以上の高さが必要と考えられた。土壌種類別試験では、佐波地域土壌(淡色黒ボク土)の利用が最も良好な結果が得られたが、使用した榛名南面地域や赤城山南面地域土壌でも浄化処理は実施可能と推察された。汚水負荷量は1日当たり20t/10a程度が適当であると考えられた。しかしながら、本試験は天井を覆った状態で実施したため、現場では雨水の影響により滞留時間が短くなること等を考慮すると、1日当たり15t/10a程度の負荷量が適当と推定された。