著者
山田 正幸 高橋 朋子 鈴木 睦美
出版者
群馬県畜産試験場
雑誌
群馬県畜産試験場研究報告 (ISSN:13409514)
巻号頁・発行日
no.14, pp.91-97, 2007-11

当場で開発した軽石を利用した低コスト脱臭装置について、密閉縦型発酵装置に付設する木材チップ脱臭槽を改造して充填容積10m3の実規模実証を行い、以下の結果を得た。1.発酵槽排気を外気で希釈しアンモニア濃度400ppmに調整して脱臭することにより、4から11月までは順調に脱臭できた。2.12月から3月までは、ビニルハウスで脱臭槽全体を覆い保温するとともに、脱臭槽を通過した空気を希釈用に再利用した。この対策により、冬期でもほぼ順調に脱臭することができた。3.この装置は送風アンモニア濃度を高く設定でき、充填資材も低コストであることから、設置費を低減できる。維持管理費も電気代のみである。以上のことから、この新たな脱臭装置は低コスト化に有効であると考える。
著者
鈴木 睦美 山田 正幸 高橋 朋子
出版者
群馬県畜産試験場
雑誌
群馬県畜産試験場研究報告 (ISSN:13409514)
巻号頁・発行日
no.7, pp.113-121, 2001-03

土壌を用いた尿汚水処理技術を開発するため、最初に前処理技術を検討した。前処理としての沈殿処理では6〜8時間程度の静置が効率的であった。濾過処理での濾材の比較ではオガクズが最も早く目詰まりを起こしたが、CODを除く各水質項目で最も良好な成績であり、1ヶ月程度の使用が可能でオガクズが適当と考えられた。また、濾過槽を2つ用意し交互に使用することで、長期間休ませることが可能となり、能力の回復につながった。次に、土壌槽の高さ別試験では、現時点では100cm以上の高さが必要と考えられた。土壌種類別試験では、佐波地域土壌(淡色黒ボク土)の利用が最も良好な結果が得られたが、使用した榛名南面地域や赤城山南面地域土壌でも浄化処理は実施可能と推察された。汚水負荷量は1日当たり20t/10a程度が適当であると考えられた。しかしながら、本試験は天井を覆った状態で実施したため、現場では雨水の影響により滞留時間が短くなること等を考慮すると、1日当たり15t/10a程度の負荷量が適当と推定された。
著者
鈴木 睦美 山田 正幸 高橋 朋子
出版者
群馬県畜産試験場
雑誌
群馬県畜産試験場研究報告 (ISSN:13409514)
巻号頁・発行日
no.5, pp.43-49, 1998-12

畜舎等から発生したハエの周辺住宅への飛翔拡散を防ぐため、容器に清涼飲料水のペットボトルを使用し、低コストの誘引液の検索をおこなった。リンゴジュースは設置後3日目頃からハエの誘引効果が発現するが、短期間であった。誘引効果を長期間持続させるためには、15日から20日経過した時点で追加することで、1ヶ月以上持続させることが可能となり、市販誘引液と同等以上の効果が期待できた。この条件でジュースを使用すると、誘引液にかかる費用について、容器1本に投入する1ヶ月あたり、市販誘引液920円、ジュース101円となり、約9分の1の費用で済むことがわかった。この方法は、容易でしかも安価であるため、誤飲等が起こらないよう注意すれば、畜産農家だけでなく、ハエの飛来で困っている周辺住民の方にも利用してもらえるものと考えられた。