- 著者
-
片野 良平
- 出版者
- 群馬県畜産試験場
- 雑誌
- 群馬県畜産試験場研究報告 (ISSN:13409514)
- 巻号頁・発行日
- no.11, pp.22-29, 2005-03
グンマLは、能力の優れたオランダ系ランドレース種を基礎豚に閉鎖群育種により作出された系統豚である。平成3年度造成終了後12年にわたり当場にて維持に取り組み普及利用を推進してきたが、平成15年度をもってその目的を達成し維持を終了することとなった。維持終了に当たり12年間の維持の経緯について総括として報告する。1.維持概要:維持期間中の飼養頭数は種雄豚18〜5(平均10.5)頭、種雌豚50〜30(平均36.4)頭であった。平成15年の遺伝的構成は平均血縁係数41.9、平均近交係数36.4であり維持期間中の平均年間上昇率はそれぞれ1.53、0.73であった。2.長所:産肉性を中心に改良された豚であり、維持期間を通じ良好な成績を維持した。また、乳頭については数、配置、形状ともに非常に良好であった。3.問題点と対応:維持に際し遺伝的構成の変化を抑制したため体型や繁殖性の問題が表面化したため、積極的な種豚の更新や選抜淘汰を実施し維持段階における改良を推進した。4.今後の方向:系統豚としての利活用は終了するが、グンマLの持つ優良形質を貴重な遺伝資源として捉え、これを素材としたランドレース種豚としての利活用を図る。