- 著者
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瀬戸 秀春
禿 康雄
銭 昭輝
清水 猛
- 出版者
- 日本農薬学会
- 雑誌
- 日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, no.1, pp.61-67, 1992-02-20
- 被引用文献数
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5
ククルビン酸のすべての立体異性体および種々の類縁体をラセミ体にて立体選択的に合成し, 構造活性相関の解明ならびに農業上実用可能な植物生長調節剤の探索を目的として, これら化合物について水稲の幼苗根およびトウモロコシの草丈の成長に対する阻害活性を調べた.その結果, 水稲の幼苗根の成長阻害活性を高めるククルビン酸類縁体の化学構造要因として, 1) 1位と2位の置換様式がシスであること, さらに, 2) 3位の水酸基, 3) (Z)-2´-petenylあるいはbutyl基に代表される2位のalkenylあるいはalkyl置換基, および, 4) 1位のmethyl acetate置換基が重要であることが解明された.水稲の幼苗根の成長阻害活性において, ククルビン酸類縁体の中で, 相当する3-oxo体である, ジャスモン酸メチルあるいはエピジャスモン酸メチルに勝るものはなかったが, 茎葉処理によるトウモロコシ草丈の成長阻害活性においては, これらの化合物と同等あるいは若干強い活性を示す化合物がいくつか見い出された.これにより, より実用的な茎葉処理においては, 3位がケトンであるより水酸基のほうが, また, 2位の置換基がalkenylよりもalkyl基のほうが活性発現に適していると推測された.