著者
古野 芳毅 鍛治山 洋 小西 徹
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.149-153, 2012 (Released:2023-05-31)
参考文献数
4

摂食・嚥下機能に障害をもつ児童生徒は、家族との外食が容易ではない。このような児童生徒が気兼ねなく外食する機会を提供することを目的に2005年より年1〜2回の頻度で新潟市内Aホテルを会場に、主に新潟県内の特別支援学校に通う摂食・嚥下障害をもつ児童生徒と家族のための食事会を行ってきた。食事内容はフレンチフルコースを基本として、普通食、注入食、離乳初期食、中期食、後期食の5段階を設定した。食事会参加者は児童生徒および家族のみならず、回を重ねる毎に参加職種が多様になった。そして多職種が一堂に会して専門的見地から意見や情報交換を行ったり、児童生徒を囲んで直接・間接的な支援を協働で行ったりする場ともなった。本食事会が総合的な食支援の場として機能していくようにさらに発展させていくことが、地域における食のバリアフリーへの一助となると考えられた。