著者
鎌川 浩之
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.4-10, 2014-07-20 (Released:2015-01-07)
参考文献数
17

平成16年11月,狂犬病の侵入防止に万全を期すため,日本における犬・猫等の検疫制度について,それまでのワクチン接種と係留を主体とする制度から,マイクロチップの装着,ワクチン接種,抗体価の測定,輸出国での180日間の待機等からなる新たな制度へと大幅に変更された。この変更による日本への狂犬病の侵入リスクの変化について,筆者が動物検疫所精密検査部危険度分析課に在籍していた平成20年頃,当時の衛藤精密検査部長をはじめとした職員の方々の協力を得つつ,リスク評価を行った。その結果については,英国の学術雑誌「Epidemiology and Infection」に学術論文として公表した。また,このリスク評価の内容については,第39回獣医疫学会学術集会シンポジウムにて,犬等の動物検疫制度の説明と併せて紹介する機会をいただいた。今般,同誌の了解を得て,当該論文の日本語訳(一部図表を追加)を紹介する。