著者
細谷 龍一郎 一條 真彦 島 智子 宮前 玲子 鎌田 智幸 日野 斉一
出版者
Japanese Society for Emergency Medicine
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.600-607, 2020-08-31 (Released:2020-08-31)
参考文献数
13

緒言:武蔵野赤十字病院では脳卒中疑い患者に対する早期治療を目的として,医療機関や救急隊から直通で脳卒中担当医につなぐ脳卒中ホットライン(SCU HOT)を構築している。当院では救急外来に常駐する薬剤師はいないが,脳卒中病棟の担当薬剤師が対応を行っている。目的:SCU HOT対応における薬剤師の介入効果を検証する。方法:2016年から2019年の3年間にSCU HOTで来院し脳梗塞の診断を受けた患者を対象に,血栓溶解療法開始までの時間(Door-to-rtPA time)について後方視的調査を行った。結果:rtPA療法を行った63件のうち16件に薬剤師が対応していた。Door-to-rtPA timeの薬剤師介入群の中央値は74分,非介入群で89分となり,介入群で有意に減少していた。考察:急性期脳梗塞患者に対し,病棟薬剤師の介入により早期rtPA療法に貢献できることが示唆された。