- 著者
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竹井 豊
長谷川 恵
安達 哲浩
- 出版者
- Japanese Society for Emergency Medicine
- 雑誌
- 日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
- 巻号頁・発行日
- vol.24, no.4, pp.569-577, 2021-08-31 (Released:2021-08-31)
- 参考文献数
- 20
目的:救急隊員の職業上の危険性を明らかにすること。方法:総務省消防庁のヒヤリハットデータベースから抽出したアクシデント事例とインシデント事例を分析した。結果:腰痛の原因は,患者の搬送(運ぶ,上げる,下げる)によるものであり,経験不足はインシデント事例に比べてアクシデント事例の危険性が高いことを示していた。インシデントは,ストレッチャー操作による転倒が多かった。転倒は,現場での患者の移送や,病院到着後の救急車からのストレッチャーの積み下ろしの際によく発生した。多変量解析では,救急車からストレッチャーを積み下ろしする際の作業に対する安全確認の不足が転倒に関連していることが明らかになった。結論:救急隊員の身体的負荷を軽減し,救急医療サービスにおける有害事象のリスクを低減するためには,作業手順を見直し,人間工学に基づいて設計された機器を使用する必要がある。