著者
牛山 浅美 小島 淳夫 鎌田 順道 日野 浩司 神山 公希 高坂 佳宏 中 正剛 野村 直樹
出版者
日本静脈学会
雑誌
静脈学 (ISSN:09157395)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.127-134, 2021-08-06 (Released:2021-08-06)
参考文献数
14

【目的】抗がん剤による末梢神経障害(CIPN)に対する圧迫療法の有用性を検討した.【方法】CIPNを有する20例40肢を対象とした.弾性着衣で圧迫した30肢と圧迫しない10肢について,圧迫前,直後,1カ月後,半年後,1年後の,CIPN症状として「しびれと痛み」をフェイスペインスケール(FPS)で評価した.【結果】圧迫肢は,圧迫前のFPSスコア(平均値)3.0と比較し,圧迫直後1.7, 1カ月後1.6, 半年後1.8, 1年後1.8と全て有意に低下した(p<0.01).非圧迫肢は,FPSスコアの変化を認めなかった.FPSスコアの変化は,浮腫肢,下肢,圧迫前FPS高スコアにおいて大きい変化を認め,年齢,蜂窩織炎の既往,抗がん剤の種類,抗がん剤終了後の期間との関連は認めなかった.【結論】圧迫療法による体液(血液,リンパ液,間質液)のうっ滞軽減,微小循環の改善,周辺組織の保護・支持・固定は,CIPN発現後の症状軽減および重症化予防に有効である可能性が示唆された.