著者
鏑木 康志 久保田 浩之
出版者
独立行政法人国立国際医療研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

糖尿病腎症(DN)患者における血清可溶性LR11(sLR11)濃度を測定しDNとの関連を検討した。対象は健常者(H)39名、2型糖尿病患者(T2DM)38名、DN2期患者(DN2)34名、DN3期以降患者(DN3)53名とした。sLR11濃度はHに比べDN2, DN3で有意に上昇し、sLR11(β:0.22)、罹病期間(β:-0.22)、収縮期血圧(β:0.17)、HbA1c(β:0.22)、eGFR(β:-0.24)がACRの有意な規定因子であった。ロジスティック回帰分析ではsLR11、HbA1c、CreがDNの危険因子となった。血清sLR11の変動はDNの発症・進展と関連する可能性がある。