著者

小林 俊一 松本 樹典 西岡 勉 篠原 聖二 譽田 孝宏 長屋 淳一

出版者

公益社団法人 土木学会

雑誌

土木学会論文集F1(トンネル工学) (ISSN:21856575)

巻号頁・発行日

vol.69, no.1, pp.39-53, 2013 (Released:2013-03-19)

参考文献数

9

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日本の開削工事のうち,大深度掘削に対する土留め設計には,梁ばねモデルを用いたフレーム解析(土留め弾塑性解析)が通常よく用いられる.この方法で予測した土留め壁変位量は,実工事での実測変位量よりも大きく,変位モードも異なり,結果として安全設計になる場合が多い.本研究では,地盤と構造物間の相互作用を考慮した土留め設計法を新たに開発することを最終的な目標とし,実際の開削工事現場で計測した土留め壁変位量と比較し,その妥当性を検討した.その結果,従来モデルや提案モデルによる水平変位量は,実測値より概ね大きい傾向にあるが,提案モデルの方が実挙動をより精度よく表現できることが分かった.またこの傾向は,砂卓越地盤よりも粘土卓越地盤の方で顕著であった.以上のことから,提案モデルの優位性を示すことができた.