著者
葛城 啓彰 鈴木 安里 長曽 一成 岡村 勝文 斎藤 和子
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.57-64, 1996-02-20 (Released:2010-10-28)
参考文献数
22
被引用文献数
3 1

強酸性電解水の細胞毒性について, C3Hマウス皮下組織由来繊維芽細胞であるL929細胞を用い細胞毒性について検討した。細胞毒性は, 細胞生死判別法におけるトリパンブルー排拙試験に準じたFDA-PI二重染色法によるフローサイトメトリー法, コロニー形成法, MTTアッセイにより行った。FDA-PI二重染色法によるフローサイトメトリー法でLD50値は, 血清非存在下で25W/W%, 10%血清存在下で43W/W%であった。コロニー形成法によるLD50値は25W/W%, MTTアッセイによるLD50値は20W/W%であった。以上の結果より, 強酸性電解水は, 繊維芽細胞に対し, 細胞毒性を示し, この細胞毒性は, 5~20%血清存在下でも残存することが示された。これらの結果より, 強酸性電解水の生体応用に関しては, 外用に限定されることが望ましく, 十分な注意が必要である。