著者
北川 亘 長濵 充二 杉野 公則 伊藤 公一
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.17-22, 2017 (Released:2017-04-28)
参考文献数
16

穿刺吸引細胞診は,甲状腺腫瘍の診断に欠くことができない検査である。しかし,その手技や検体処理の仕方によっては,検体不適正率が上がり穿刺吸引細胞診を再検する必要が出てくる。穿刺吸引細胞診では十分な量の細胞を採取し,迅速・的確に適正な標本を作製する必要がある。重要なことは,すべてUSガイド下に診断に適した部位から選択的に細胞を採取すること,細胞診成績を左右するので,検体処理を速やかに固定まで丁寧に行うことである。穿刺吸引細胞診の適応と当院で施行しているUS guided FNAの手技とそのコツを述べた。また,通常の塗抹標本以外にLBCやメンブレンフィルターを用いる検体処理の工夫をすることによって,検体不適正率は減少する。