著者
坂西 雄太 大内 啓 玉井 美恵子 長田 晴香 石橋 悟 杉岡 隆
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.38, no.Supplement, pp.108-112, 2015 (Released:2015-03-27)
参考文献数
15

東日本大震災時の石巻医療圏において医療的避難所「ショートステイベース」が2011年4月上旬に設置され, 同年5月下旬より日本プライマリ・ケア連合学会東日本大震災プロジェクト (Primary Care for All Team ; PCAT) が運営した. 多職種で協働し, 「避難所以上入院未満」の要治療・要処置患者および集団避難生活が困難な被災者を受け入れ, 包括的医療支援を行った. 石巻医療圏内の保健師や医療・福祉・介護機関と連携し, 圏内ネットワークの再構築も試みた. 105日間の運営で, 入所者は32名, 平均年齢59.6歳, 平均入所期間12日間, 入所理由は要治療・処置75%, 要感染症隔離15.6%, 社会的入所9.4%であった. 今後の災害時の医療計画においては, 災害慢性期から復興期まで含め, 様々な背景の被災者を支える避難所や被災地域の医療・福祉連携を支えるシステムの構築が必要である.