著者
長田 理
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.572-578, 2007 (Released:2007-10-06)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

レミフェンタニルの特徴は, 蓄積性がなく調節性が良いことである. しかし, 副作用として, 低血圧, 徐脈の頻度が高く, オピオイドに特徴的な筋硬直が時としてみられる. また, レミフェンタニルの効果が速やかに消失することにより, 時として嘔吐を伴うほどの激しい疼痛が術直後から出現し, 麻酔中の体温低下による悪寒やシバリングが強く表れるという不利な面もある. このため, レミフェンタニルの鎮痛効果が消失する前に神経ブロック, 他の中長時間作用性オピオイドやNSAIDsなどを用いて十分な術後痛対策を行うとともに, 体温管理を積極的に行うことが重要である.