著者
長田 礎
出版者
東北大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2022-08-31

2019年のニッケル酸化物超伝導の発見は、高温超伝導機構の解明に向け、新しい道筋を与えた。しかし、ニッケル酸化物で起きる超伝導は、これまで正孔ドープした化合物に限られており、電子ドープ型化合物の合成報告はまだない。これは、母物質において、ニッケルがすでに Ni1+という異常低原子価状態をとっており、直接的にAサイトを4+イオンで部分置換することが困難であることに起因する。本研究では、酸化物ヘテロ構造による界面電荷移動を利用して、ニッケル酸化物の電子ドープを試みる。