著者
長田 篤史
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.143-148, 2017-03-25 (Released:2017-06-25)
参考文献数
11

薬品開発におけるDrug Delivery System(DDS)の活用は以前から行われており、すでにさまざまな疾患領域で多様なDDS製剤が開発・上市されてきた。オンコロジー領域では、これまでに3剤のAntibody-Drug Conjugate(ADC)が上市され、現在、多くの新規ADCが臨床試験中である。そのほかにも最新のテクノロジーを活用した新たなDDS技術を応用した医薬品が世界中で研究・開発されており、DDS製剤の開発競争は今後も続くであろう。筆者の所属するナノキャリア株式会社ではミセル化ナノ粒子技術を応用した抗がん薬を研究・開発しており、3つの化合物が臨床フェーズに移行している。本稿では筆者のナノキャリア株式会社における臨床開発経験から、新規ミセル製剤の臨床開発における特徴について概説する。