著者
藤田 桂一 伊藤 寛恵 笹原 沙衣子 鴇田 真弓 長田 裕子 川重 結子
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.109-115, 2008-12-20 (Released:2009-11-17)
参考文献数
16
被引用文献数
1

デンタルガム(グリニーズ® ティーニー)を1日1本成犬に投与したときと投与しなかったときにおける歯垢付着程度,歯石付着程度,および歯肉炎の程度(歯肉炎指数)を比較検討した。犬を2群に分けてクロスオーバー試験を行った。14日間のプレテスト期間とそれに続く28日間のテスト期間で構成した。テスト期間終了時に歯垢付着程度,歯石付着程度,および歯肉炎の状態(歯肉炎指数)を評価した。その結果,デンタルガムの投与時期では非投与時期と比較して有意に歯垢(減少率54.8%(p=0.001))および歯石(減少率62.0%(p=0.02))の付着率が減少し,歯肉炎(減少率53.8%(p=0.04))が軽快あるいは軽減した。特に,これらの効果が期待される裂肉歯(上顎第4前臼歯と下顎第1後臼歯)および上顎第1後臼歯の6歯では,歯垢(減少率56.6%(p=0.0002))および歯石(減少率66.0%(p=0.001))の付着率が減少した。しかし,咬合に多く関わらない犬歯および切歯では,歯垢・歯石の付着率の減少はみられなかった。歯垢や歯石付着程度の減少および歯肉炎の軽減が期待できるデンタルガムの機械的擦過作用による効果試験を行う場合,上下顎裂肉歯および上顎第1後臼歯の頬舌側面を評価すべきであると考えられた。
著者
長田 裕子 上村 佑也 坂 智秀 吉田 睦子 西塔 正孝 工藤 秀機 國崎 直道 五明 紀春
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.625-631, 2008-12-15
被引用文献数
8 7

<I>Lactobacillus plantarum</I> No. 14株を被験者28人に二重盲検法により摂取させ,そのスギ花粉症に対する効果を調べた.実施期間は2005年1~3月とし,No. 14株の凍結乾燥菌体を1日2.0×10<SUP>10</SUP>CFU, 3週間連続摂取させた.その結果,血液成分において群間に有意な差はなかったが,No. 14株摂取により総IgEの有意な減少が見られた.また摂取を終了した後でも総IgE, 好酸球数の上昇を抑制した.アレルギー症状に関しては鼻回数が摂取3週間目と後観察1週目で試験群がプラセボ群に対して有意に少なくなった.また,体脂肪率が摂取前後でプラセボ群は有意に上昇したのに対し,試験群は有意に減少した.このことからNo. 14株の摂取により花粉症が抑制され,体脂肪率が低減する可能性が示唆された.