- 著者
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加藤 勇人
髙木 聡
滝田 美夏子
鈴木 智子
沈 卓
麻沼 卓弥
入村 泉
大屋 純子
花井 豪
長谷 美智代
岩﨑 直子
馬場園 哲也
- 出版者
- 一般社団法人 日本糖尿病学会
- 雑誌
- 糖尿病 (ISSN:0021437X)
- 巻号頁・発行日
- vol.63, no.1, pp.26-34, 2020-01-30 (Released:2020-01-30)
- 参考文献数
- 65
44歳男性.健康診断で耐糖能異常は指摘されなかった.入院2週間前に近医で糖尿病と診断され,カナグリフロジン100 mg,メトホルミン塩酸塩500 mgが開始され,同時に自己流の低炭水化物食も開始した.内服4日後に強い倦怠感を訴え当院に紹介され初診,随時血糖183 mg/dL,HbA1c 12.1 %,HCO3- 11.7 mmol/L,尿ケトン体3+であり,正常血糖糖尿病ケトアシドーシス(euDKA)の診断で入院した.輸液とインスリンを投与し症状や検査所見は改善,第10病日に退院した.SGLT2阻害薬の内服に加え極度の低炭水化物食がeuDKAの誘因になったと考えられた.国内外から報告されている同様の症例のうち,約6割で炭水化物摂取量の減少との関連が考えられた.SGLT2阻害薬投与時は,極端な炭水化物制限を回避するなど,euDKAの予防を意識した指導をより積極的に行う必要がある.