著者
長谷川 公嗣 武野紘和 中津 悠斗 大宮 学
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.2829-2840, 2011-09-15

最近,無線LANシステムとして高出力かつ高速データ伝送を実現するIEEE802.11n規格に準拠した機器が流通している.この装置をアクセスポイントとして利用することで,屋内での同一フロア部屋間あるいは複数階での大容量情報伝送が可能である.本論文では,市販の2.4GHz帯無線LANシステムを利用して,屋内伝搬特性測定を行い,受信電界強度(RSSI)と平均スループットの関係を明らかにする.小規模および大規模オフィス環境,戸建住宅での測定と考察から,これら2つの特性には線形の関係があり,測定環境によらず同一の直線で近似できることを示す.このことは,市販製品がMIMO特性を実現していないことを意味し,動作周波数が2.4GHz帯であることおよび小型無線子機の構造上の制約が原因と考えられる.この場合,導出した関係式を利用することで,RSSI値からスループット値を推定できる.RSSIはスループットに比較して測定が容易で,数値シミュレーションでの評価にも適している.そこで,FDTD法によりRSSI分布を求め,その結果と測定結果を比較検討し,両者がよく一致することを確認した.以上のことから,数値解析で得られたRSSI分布と実験から導出したRSSIとスループットの関係を表す近似直線を組み合わせることで,任意の場所でのスループット値を推定することができる.したがって,導出した結論はアクセスポイントの設置位置や設置台数を見積もる際の有効な設計手法となる.
著者
長谷川 公嗣 庄司 知史 大宮 学
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.32, pp.63-66, 2009-07-30
被引用文献数
1

温度・湿度などの環境データの収集,人体の状態監視,物の移動追跡など無線センサネットワークが注目されている.センサネットワークでは各種データの収集とともに位置情報を必要とすることが多い.さらに,センサノードが常に移動していることが想定されることから,位置推定法が重要な技術である.IEEE802.15.4に基づくZigBeeでは受信信号強度(RSSI)を使用することで,比較的容易に位置推定が可能である.しかし,この方法を適用するためには屋内環境での伝搬特性を事前に把握していなければならない.実験的に伝搬特性を測定することは,時間とコストの観点から困難である.本報告においては,RSSIマップ作成における大規模電磁界解析に基づく計算機シミュレーションの有効性について検討する.すなわち,ZigBeeを使用したRSSI測定結果とシミュレーション結果を比較することで,シミュレーション結果の妥当性および提案手法の有効性を明らかにする.