著者
森本 淳子 柴田 昌三 長谷川 秀三
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.360-366, 2003 (Released:2005-10-25)
参考文献数
17
被引用文献数
2 2

京都市近郊林産のコバノミツバツツジとモチツツジの地域性種苗の生産に必要な技術,すなわち種子の貯蔵,播種,苗の育成に関して,適切な方法を明らかにすることを目的に実験を行った。その結果,1)当年結実した果実を採取後,乾燥させ取り出した種子を殺菌処理し冷蔵乾燥貯蔵すると,種子の発芽力は低下しにくい,2)この条件で貯蔵すると,コバノミツバツツジは少なくとも2 年8 カ月間,モチツツジは1 年8 カ月間,高い発芽力が維持される,3)結実の翌年,気象をコントロールしないガラス室で5 月頃に播種すると発芽率は最も高くなる,4)施肥を行わない場合,コバノミツバツツジは水苔に播種し翌年早春に6 cmポットに床替え,モチツツジは水苔に播種し翌年早春に9 cmポットに床替えすると,もっとも生存率が高く,成長量の大きい2年生苗になることが明らかになった。
著者
森田 裕介 中村 彰宏 室田 高志 瀧川 幸伸 長谷川 秀三 森本 幸裕
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.377-379, 2001-08
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

水位変動をともなう冠水, 湛水条件下が近畿地方に分布するヤナギ属8種の成長および生理特性に与える影響評価を行った。冠水, 湛水条件下では, 下流域を中心に分布するカワヤナギ(Salix gilgiana), オオタチヤナギ(Salix pierotii), タチヤナギ(Salix subfragilis)の成長抑制が小さく, 山地に分布するヤマナギ(Salix sieboldiana)は12時間冠水によって枯死した。このように, 分布が氾濫の多い下流域に近いほど, 冠水, 湛水に対する耐性は大きくなることが明らかになった。