著者
田中 健一 金子 弘昌 長阪 匡介 船津 公人
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第38回ケモインフォマティクス討論会 東京
巻号頁・発行日
pp.52-55, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
6

化学工学プロセスにおいて実時間測定が困難な変数の値の推定にソフトセンサーが広く利用されている。しかし、触媒の劣化や製造銘柄の変更等に伴い説明変数Xと目的変数yとの関係が変化した場合、変化前のデータから構築されたソフトセンサーでは変化後の予測が困難となる。この問題はソフトセンサーモデルの劣化と呼ばれ、対応策として各種適応型ソフトセンサーモデルが提案されている。本研究では適応型ソフトセンサーモデルの中でJust-In-Time (JIT) モデルの予測精度改善を目指す。JITモデルはクエリのXの値が類似しているデータを選択、もしくは類似度の高いデータに大きな重みを与えて構築されるため、Xの値は類似しているがyの値が異なるデータが存在する際に不適切な回帰モデルとなる。本研究では、Xの全ての領域においてより新しい状態のデータのみを選別したJIT用データベースの管理手法およびJIT用データベースを用いた回帰モデル構築手法を提案する。