著者
上田 成子 天野 恵里子 門田 ちはる 藤間 基朱 槇野 瑞枝 吉沢 美和子 桑原 祥浩
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.27, no.9, pp.453-455, 1980-09-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

小麦粉及びその製品の微生物汚染状態を検討すると共に,汚染菌叢のうちBacillus属の同定を行なった。(1) 小麦粉の汚染菌数は一般細菌及びカビ・酵母とも全検体104/g以下であった。しかし,パン粉(乾燥及び生製品)については小麦粉と比較して汚染度が高い傾向にあり,とくに生パン粉の汚染度が高かった。(2) 小麦粉,乾燥パン粉及び調味加工小麦粉製品間には菌叢に差異がみられ,とくに調味加工小麦粉製品ではbacilliが多く,生パン粉ではグラム陽性球菌が多く検出された。(3) 各製品から分離されたBacillus spp.の同定を行なった結果, B. licheniformis, B. subtilisが最も普遍的に検出され,その他, B. cereus, B. pumilusも多くの材料から検出されたが,各製品ごとのspeciesの分布にはほとんど差がみられなかった。