著者
間藤 方雄
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.13-22, 1998-04-20 (Released:2010-06-08)
参考文献数
14

脳細血管には生理的条件下において, マクロファージ系の細胞 (間藤細胞: M細胞) が纏絡する。同細胞は血管周囲隙にあり, 水解酵素に富み蛍光性を有する顆粒を多数含み, 血管・脳室内に投与された蛋白, 脂質を効率よく摂取する細胞である。本稿では間藤細胞の一般的な性質に加え, 病態時, 特に脳に凍結傷害を与えた場合の間藤細胞の浮腫性変化, LPSによって刺激した際の変化とミクログリアとの関係, 再灌流実験における同細胞の退行性変化等について述べた。再灌流実験における皮質・海馬にみられる神経細胞変性と本細胞との関連については現在研究中である。