著者
岡田 和夫 印南 比呂志 小杉 功
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.1-7, 2015-04-15 (Released:2015-05-21)
参考文献数
47

蘇生学の進歩は著しいが,次々と登場する新しい手法を基礎的な見地から見直してみたいと思い,Microsphere法による血流分布について我々がこれまでに行った成績から検討したのが本稿である。この研究がなされた頃は“救命の連鎖”の概念もなく,基礎的な研究に裏打ちされた手法ばかりとは限らないとの思いを持ってきた。 心拍出量の増減だけが蘇生の基本ではなく,減少した心拍出量でもshock時では重要臓器への血液配分が増える機序で,生体は侵襲に対して耐えるようになっている。このような血液配分がどのように変わっているのかについて,過換気時,心マッサージ施行時,低体温療法施行時,アドレナリンなどの血管作動薬投与時で研究した成績を血流分布という見地で横断的にまとめてみた。
著者
福井 (岡田) 容子 福井 秀公 三浦 仁 渡辺 省五 一色 淳
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.24-30, 2001-04-20 (Released:2010-06-08)
参考文献数
20

本研究は, エンドトキシン (LPS) 誘発の脳細胞死に対する静脈麻酔薬の神経保護効果を脳内一酸化窒素代謝産物 (NOx) 動態を基盤として検索した。脳細胞は小脳顆粒細胞を分取し, 神経細胞とグリア細胞が混在した初代培養細胞を用いた。細胞死は蛍光発色法で定量解析を行った。NO産生は特製微小透析プローブで経時的にNOxを採集し, NO2およびNO3をグリース反応後, HPLC-UVシステムで測定し解析した。LPS未処置でNOx産生は認められなかったが, 処置後は明らかな経時的NOx産生が確認された。LPS20μg処置24時間後の細胞生存率は約60%であった。細胞死発現にともなうNOx産生は各種静脈麻酔薬の中でミダゾラムによってもっとも著明に阻害された。これらの結果は, 脳細胞死発現にともなってNO発生が生じ, ミダゾラムの脳保護効果はNO産生抑制と関連することが示唆された。
著者
阿部 富弥
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.32-38, 1987-04-25 (Released:2010-06-08)
参考文献数
18
著者
伊藤 寛 小川 幸恵 清野 浩昭 川合 宏仁 山崎 信也 奥秋 晟
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.82-87, 2005-07-20 (Released:2010-12-08)
参考文献数
4
被引用文献数
1

歯科治療における死亡事故報告は後をたたない。我々は, 各種メディアから知り得た歯科治療に関連した重篤なショック, 心肺停止報告200例について分析した。その結果, ショック45例, 心肺停止155例, 死亡126例であった。これらの多くは局所麻酔や観血処置に起因し, 何らかの全身的合併症を有していたものが全200例中75例 (38%) であった。また小児, 障害児者に多く行われる抑制治療が起因と思われる死亡は19例で, 全死亡例の15%であった。このような事故を回避するために, 歯科医師の医学知識全身管理能力の向上が必要であり, 特に, 最低限のリスクマネージメントとしてBLS, ACLSの習得は必須であると思われた。
著者
植田 広樹 田中 秀治 田久 浩志 匂坂 量 田中 翔大 中川 隆
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.1, 2017-04-01 (Released:2017-04-08)
参考文献数
9

病院外心停止例へのアドレナリン投与タイミングは地域MCにより様々である。傷病者接触からアドレナリン投与までの時間(以下,アドレナリン投与までの時間)と社会復帰率の関係を地域別に明らかにするため,全国ウツタインデータからアドレナリンを投与された40,970症例を抽出し解析した。アドレナリン投与までの時間は最短県で平均9.5±5.1分,最長県で平均19.8±7.5分と大きな差異をみた。アドレナリン投与までの時間と社会復帰率は負の相関を示し(y=-0.1592 x +5.6343;R2=0.184),早期投与ができている県ほど社会復帰率は高かった。今後,地域メディカルコントロール協議会は,自地域のウツタインデータを分析しアドレナリンを早期投与する方法を再検討する必要がある。
著者
下田 元 佐藤 実 城戸 幹太 猪狩 俊郎 岩月 尚文
出版者
The Japanese Society of Reanimatology
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.18-21, 2004-02-20
被引用文献数
2

術前の内科的心循環器系機能評価で特に異常を認めない患者の顎口腔再建術中に, 発作性に心室性頻拍が発生し心室細動に移行した。胸骨圧迫心マッサージを継続しながら電気的除細動を繰り返したが奏功しなかった。リドカイン, エピネフリン, アトロピンなどの薬剤併用にも反応せず蘇生し得なかった。病理解剖学的診断の結果, 特に右室に著明な菲薄化・拡張を認め拡張型心筋症の病態を呈していた。潜在していた心筋障害が, 薬剤・DCショックに反応性を示さなかった致死性不整脈発生の原因と考えられた。<BR>潜在性の病的心筋に対する内科的評価の限界を痛感させられ、無症候性症例の術前のリスク評価方法が当面する課題であると思われた。
著者
長田 圭司 伊佐 泰樹 二瓶 俊一 原山 信也 相原 啓二 蒲地 正幸
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.16-19, 2013-03-28 (Released:2013-05-02)
参考文献数
6

症例は49歳,男性。大量のインスリンを自己注射し自殺をはかり,心肺停止状態で搬送された。低血糖と判断し心肺蘇生を継続しながらただちに50%ブドウ糖液20 mlの静脈内投与を行った。その直後の大腿(動脈血)から採取した血糖値は1262 mg/dlと高値を呈していた。しかし,その5分後に採取した血糖値は33 mg/dl,さらにその4分後では305 mg/dlと短時間の間に激しく変動した。心肺蘇生時における循環時間の遅延により,ブドウ糖の血管内不均等分布を起こしたことが原因と考えられた。心肺蘇生中は,循環時間の遅延がブドウ糖投与後の血糖測定値に大きな影響を与えることを念頭に置くべきである。
著者
郡山 一明
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.3_53a-3_53a, 2010-08-25 (Released:2011-07-20)

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著者
西山 友貴
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.12, 2017-04-01 (Released:2017-04-08)
参考文献数
16

4年間の集中治療記録から,成人の脳挫傷,脳出血に対する手術後初回痙攣発作時にミダゾラムを投与した症例を抽出し,ミダゾラムの痙攣抑制効果を調査した。28例の痙攣発作時にミダゾラム静注を行い痙攣が消失した。4例でフェノバルビタール筋注が,8例でチアミラール静注が,7例でジアゼパム静注が各々無効,ミダゾラムで痙攣が消失した。3例でミダゾラム静注が無効,チアミラールで痙攣が消失した。ミダゾラム単独投与では昇圧薬を必要とする循環抑制は生じなかった。以上からミダゾラム静注は脳挫傷,脳出血手術後の痙攣抑制に有用と考えられた。
著者
内野 博之 諸田 沙織 Chen Li 高橋 俊明 工藤 佳久 池田 幸穂 石井 脩夫 芝崎 太
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1-11, 2006-03-20 (Released:2010-06-08)
参考文献数
25

脳は非常に繊細な臓器であり, 短時間の虚血によって容易に障害を受ける。麻酔科医は, 通常業務の中で脳障害を引き起こす病態に遭遇することが少なく無い。脳をさまざまな侵襲から守るためには, 脳の生理的な特徴と脳障害を引き起こす病態の把握が重要となる。脳が虚血となるときの脳血流, 動脈血酸素分圧, 脳潅流圧はどのくらいなのか。脳を障害する病態と脳障害の基礎的なメカニズムおよび二次的に派生する障害の重要性とは何かについて概略を述べた。
著者
本望 修
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.182a, 2015-10-10 (Released:2015-12-26)

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著者
北口 勝康
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.112-116, 1999-07-20 (Released:2010-06-08)
参考文献数
27

血管拡張薬と脳血流について検討した。トリメタファンは脳血流量への影響は小さいが散瞳を起こし, 術後の神経学的評価を困難にする。ニトログリセリン (TNG) は頭蓋内圧亢進状態では灌流圧の低下により脳血流量が減少する可能性が高い。ニトロプルシド (SNP) は脳血流量は不変であるとされ, 効果も強力であるがシアン中毒の危険があり, 大量投与を避けるため他剤との併用が望ましい。プロスタグランジンElは頭蓋内圧に対する影響も少なく脳血流量は保たれる。脳虚血による細胞死に対して, 血管拡張作用に加えてTNGやSNPが放出するNOの血小板凝集抑制や, PGE1の赤血球変形能改善, 膜安定化作用などが有用となる可能性がある。
著者
森近 雅之 御村 光子 井上 光 並木 昭義
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.35-37, 2002-08-10 (Released:2010-06-08)
参考文献数
7

硫黄入浴剤服用による中毒症例を経験した。57歳女性。入浴剤六一〇パップを約200mL服用し, 約1時間後に救急搬送された。来院時, 意識レベルはJCS-II-30・せん妄状態で著明なチアノーゼ, 過換気と代謝性アシドーシスを認めた。胃洗浄施行後, 精神科病棟に入院させた。その後呼吸不全, ショックとなり, ICUに収容した。人工呼吸下に再度胃洗浄行い, 活性炭投与, 強制利尿等を施行した。硫化水素 (HS) 中毒に対する特異療法としてニトログリセン持続静脈内を投与開始したが, 来院17時間後に死亡した。六一〇ハップは広く市販されているが, 服用時の毒性については知られていない。今後市民への啓発等の対応を要すると考えられる。
著者
重臣 宗伯 佐藤 ワカナ 柴田 繁啓 越村 裕美 円山 啓司 吉岡 尚文
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.145-148, 2001-07-20
参考文献数
6
被引用文献数
1

高齢者の入浴中の心肺停止の原因を発生状況と地域性から明らかにするために, 発生率によって秋田・青森群と非秋田・青森群の2群に分けて比較検討した。秋田・青森群の発生率は3.51で, 11月に発生のピークがあるのに対し, 非秋田・青森群では2.24で12月に発生のピークがあった。全発生数に占める高齢者の割合, 性別, 発生場所, 水没の有無, 浴槽の形状, 家族との同居の有無, 入浴前飲酒の有無, 既往歴には明らかな差を認めなかった。高齢者の入浴中の心肺停止は外気温が10℃を下回る時期から発生数が増加し, その発生には脱衣場・浴室内の温度の低さが関係していると考えられた。寒冷な時期での脱衣場・浴室内の暖房の必要性を啓発する必要がある。

1 0 0 0 OA 一般演題

出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.55-114, 1986-03-01 (Released:2010-06-08)
著者
塚本 昇 藤田 尚 瀬尾 憲正
出版者
The Japanese Society of Reanimatology
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.118-122, 2007-07-20
被引用文献数
1

膝蓋骨骨折に対し深部静脈血栓症の予防を図ったが, 手術の執刀直前.下肢の駆血によって肺血栓塞栓症を発症した症例を報告する。72歳, 女性。左膝蓋骨骨折にて, 膝関節は固定されるが足関節を自由に動かすことができる装具を装着されて自宅待機し, 受傷後第10病日に手術が予定された。全身麻酔下, 下肢を駆血した直後に肺血栓塞栓症を発症した。ヘパリンの静注で状態は安定し, 循環器科専門医のいる病院に転送後, 下大静脈フィルターの留置と抗凝固療法を受けて安全に手術が施行された。静脈血栓塞栓症を完全に予防することは困難であるため, 発症後はヘパリンを投与し, 循環器専門医のいる施設に転送することが救命のために重要である。
著者
山本 光昭
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.110-112, 1997

新たな災害医療体制の方向性の要点は, 「初動の遅れの解消」, 「地域単位の対応の強化」, 「住民主体の活動の支援」, 「日常からの訓練・備え」であり, その観点から, 災害拠点病院の整備, 広域災害・救急医療情報システムの整備, 災害医療に係る保健所機能の強化, 搬送機関との連携などが必要である。災害時における初期救急医療体制の充実強化には, 住民をはじめ, 医療関係者, 救急関係者の支援, 協力を得ることが重要であり, 積極的に推進されることが期待される。
著者
小林 一哉
出版者
The Japanese Society of Reanimatology
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.123a-123a, 2014

PDFファイルをご覧ください。