著者
鈴木 昭広
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.160, 2018-10-31 (Released:2018-12-28)

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著者
中村 秀明 匂坂 量 阪本 奈美子 刈間 理介 鈴木 宏昌
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.7-14, 2021-04-26 (Released:2021-05-10)
参考文献数
8

【目的】自動胸骨圧迫装置判断に影響する因子とその使用が静脈路確保(以下,PIVC)に及ぼす効果を明らかにする。【方法】2018年8月1日から2019年2月28日にBANDOメディカルコントロール協議会の4消防本部において記録された心肺停止傷病者に対するPIVC321症例を対象とした。【結果】実施者因子では,救急救命士の年齢が若く,拡大二行為認定経過年数が長いこと。傷病者因子では,年齢が若い,男性に自動胸骨圧迫装置が装着されやすい因子であった。自動胸骨圧迫装置群のPIVC成功率は有意に低く(44.6% vs 62.6%:p<0.05),静脈の性状とPIVC所要時間に関して有意差は見られなかった。キーワード:救急救命士,心肺停止,静脈路確保,静脈路確保成否因子,自動胸骨圧迫装置
著者
伊藤 寛 小川 幸恵 清野 浩昭 川合 宏仁 山崎 信也 奥秋 晟
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.82-87, 2005-07-20 (Released:2010-12-08)
参考文献数
4
被引用文献数
1

歯科治療における死亡事故報告は後をたたない。我々は, 各種メディアから知り得た歯科治療に関連した重篤なショック, 心肺停止報告200例について分析した。その結果, ショック45例, 心肺停止155例, 死亡126例であった。これらの多くは局所麻酔や観血処置に起因し, 何らかの全身的合併症を有していたものが全200例中75例 (38%) であった。また小児, 障害児者に多く行われる抑制治療が起因と思われる死亡は19例で, 全死亡例の15%であった。このような事故を回避するために, 歯科医師の医学知識全身管理能力の向上が必要であり, 特に, 最低限のリスクマネージメントとしてBLS, ACLSの習得は必須であると思われた。
著者
丸川 征四郎 金子 洋 畑中 哲生 長瀬 亜岐 坂本 哲也
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.1-6, 2022-04-01 (Released:2022-01-13)
参考文献数
7

ショックボタンを押すことなく自動的に電気ショックが行われるオートショック AEDが認可された。現時点での心肺蘇生教育は従来型AED、すなわち救助者がショッ クボタンを押すことによって電気ショックが行われるAEDを使用することを前提とし ている。このためオートショックAEDを使用する救助者が、存在しないショックボタ ンを探したり、感電事故を起こすことへの懸念から、オートショックAEDを示す識別 マークの活用や、オートショックAED使用法の訓練などの対策が課せられた。本論で はオートショックAEDの特性、導入経緯と対策などについて解説しつつ、AEDの音声 メッセージ等に従って行動することの重要性を強調した。
著者
丹保 亜希仁 岩田 周耕
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.16-18, 2018-04-01 (Released:2018-04-28)
参考文献数
6

成人の心肺蘇生教育は2000年の心肺蘇生ガイドラインが発表されて以降急速に普及しており,質の高い心肺蘇生(cardiopulmonary resuscitation,以下CPRと略す)の重要性がうたわれている。CPRは胸骨圧迫と人工呼吸によって成り立つが,自己心拍再開のためには冠動脈血流量を保つ必要があり,心肺蘇生ガイドラインでも適切な胸骨圧迫の施行が重要とされている。また,脳血流の維持は神経学的予後に影響する。胸骨圧迫は,適切な深さ,テンポ,リコイル,中断時間の短縮が重要であり1, 2),様々なトレーニングコースでも強調されている。自動心肺蘇生器Clover3000TM(コーケンメディカル,東京;図1)は,胸骨圧迫機能に加えて人工呼吸機能を有する日本初の自動心肺蘇生器である。人工呼吸機能は,胸骨圧迫に対して同期および非同期モードを有しており一回換気量(200~600mL)を設定することができる。胸部の厚さは12~28cmに対応しており,圧迫の深さも調節可能である。本稿では,Clover3000の使用経験を報告する。
著者
金子 武彦 大脇 明
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.128-131, 1999-07-20 (Released:2010-06-08)
参考文献数
11

肺高血圧を伴った心内膜症欠損症, 左心低形成症候群, 心室中隔欠損症の3症例の心肺蘇生を経験し, うち2例は不幸な転帰をとった。これらの疾患では, 高濃度酸素投与は肺血管抵抗の低下や動脈管の閉鎖を, 低二酸化炭素血症は肺血管抵抗の低下をもたらすので, 蘇生中・直後の換気条件の設定が蘇生の効果に影響する。臨床では, 蘇生開始時の100%酸素投与と過換気はやむをえないが, 心拍再開後は脈波型酸素飽和度計による動脈血酸素飽和度の値と頻回の心エコーの所見を指標に可及的に吸気酸素濃度を下げつつ, 中枢神経系への影響も考慮して二酸化炭素分圧を調節するような換気条件の設定が病態に則した蘇生法と思われる。先天性心疾患患者を扱う施設では, これらの疾患に特有な肺循環動態を考慮した心肺蘇生を念頭に置く必要がある。
著者
岡田 和夫 印南 比呂志 小杉 功
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.1-7, 2015-04-15 (Released:2015-05-21)
参考文献数
47

蘇生学の進歩は著しいが,次々と登場する新しい手法を基礎的な見地から見直してみたいと思い,Microsphere法による血流分布について我々がこれまでに行った成績から検討したのが本稿である。この研究がなされた頃は“救命の連鎖”の概念もなく,基礎的な研究に裏打ちされた手法ばかりとは限らないとの思いを持ってきた。 心拍出量の増減だけが蘇生の基本ではなく,減少した心拍出量でもshock時では重要臓器への血液配分が増える機序で,生体は侵襲に対して耐えるようになっている。このような血液配分がどのように変わっているのかについて,過換気時,心マッサージ施行時,低体温療法施行時,アドレナリンなどの血管作動薬投与時で研究した成績を血流分布という見地で横断的にまとめてみた。
著者
櫻井 淳 木下 浩作 守谷 俊 雅楽川 聡 林 成之
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.131-134, 2001-07-20 (Released:2010-12-08)
参考文献数
21

心肺蘇生後に脳低温療法を行った症例の聴性脳幹反応, 脳波と予後を検討した。蘇生後平均3時間の聴性脳幹反応でV波が同定できない群は7例中6例が死亡し, 同定可能群 (生存/死亡=10/3) に比し有意に死亡率が高かった。聴性脳幹反応のV波の同定は蘇生後脳低温療法を行うにあたり生命予後の予測に有用と考えられた。一方, 心肺蘇生後24時間以内の脳波が平坦でもその後に脳波活動が記録され予後良好例が存在した。24時間以内に脳波でBurst suppressionを示した症例は全例が予後不良であった。心肺蘇生後に脳波での脳機能評価による予後予測は有効であるが, 蘇生後24時間以内の平坦脳波においては解釈に注意を要する。
著者
林 泉 川崎 洋 小田代 政美
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.52-57, 2001-04-20 (Released:2010-06-08)
参考文献数
54
被引用文献数
5 13

当院および関連病院で急性喉頭蓋炎と診断できずに窒息死した成人の2症例を報告した。さらに, 本邦における急性喉頭蓋炎の文献調査を行った。1979~1998年までの20年間で846例の報告があり, 大部分は成人症例であった。94例 (11.1%) で気道確保が行われ, 12例 (1.4%) が死亡している。たとえ咽頭所見が軽度であっても, 著しい咽頭痛, 嚥下困難, 呼吸困難を伴う場合は絶えず急性喉頭蓋炎を疑う必要がある。ありふれた疾患ではないが, 急速に気道閉塞を生じ窒息死することもあり, 耳鼻科以外の一般臨床医に対する啓蒙が重要である。

2 0 0 0 OA 脳死

著者
水谷 弘
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.56-62, 1995-04-20 (Released:2010-06-08)
著者
矢野 倫太郎 関野 元裕 山下 和範 三好 宏 原 哲也
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.11-15, 2020-04-01 (Released:2020-04-13)
参考文献数
16

68歳男性。スズメバチに70箇所以上を刺され前医に入院となった。意識清明であったが受傷15時間後より,呼吸・循環不全を呈し,受傷24時間後に当院ICUへ収容となった。血液生化学検査では腎障害に加え,肝逸脱酵素とクレアチニンキナーゼの上昇を認めた。重篤な多臓器不全の状態であり,人工呼吸管理,循環管理,持続的血液濾過透析を含めた集学的治療を施行したが全身状態の改善なく,受傷34時間後に死亡した。ハチ毒は生体への直接的な傷害から多臓器不全を生じ,中毒死を起こすことがある。刺傷数が多い場合にはアナフィラキシーショックへの対応のみならず,ハチ毒中毒の合併を念頭に早期の集学的治療が重要である。
著者
金谷 明浩 山内 正憲 江島 豊 阿部 望
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.23-26, 2016-04-01 (Released:2016-04-07)
参考文献数
4

東日本大震災後,病院危機管理の一つに震災対策が重要な位置を占めている。今回われわれは,手術中に発生した震度6の地震を想定した避難訓練を行った。隣接した2つの手術室で行い,参加したスタッフは医師,看護師,臨床工学技士,医療クラークを含め総勢32名であった。訓練担当看護師により災害発生時のフローチャートやシナリオが事前に説明された。今回の訓練ではアクションカードを用いた初期対応及び避難経路の確認,さらに,手術や麻酔覚醒の方針について震災状況を考慮して麻酔科医と外科医の間で協議してスムーズに決定することができた。手術室における災害訓練は必要不可欠であり,今後も継続して行うことが重要である。
著者
中木村 和彦 佐伯 仁 佐伯 真理子 白澤 由美子 中野 智子
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.1-6, 2021-04-26 (Released:2021-05-10)
参考文献数
10

36名を,4,6,12ヶ月の3群に分け,一次救命処置(BLS)講習受講後,傷病者の虚脱発見から心肺蘇生とAEDによるショックまでの時間(BLS時間)と50回連続の胸骨圧迫の質の適切性を調べた。初回講習後,4,6ヶ月群は,それぞれ4,6ヶ月間隔で,スキル保持の評価と簡単な講習を行い,12ヶ月後に全群スキル保持の程度を調べた。 12ヶ月後の胸骨圧迫の質に群間差はなかったが,BLS時間は,12ヶ月群が他の2群よりも有意に長かった。4ヶ月群ではBLS時間に有意な経時変化を認めなかったが,6と12ヶ月群のBLS時間は1年後有意に延長した。 BLSのスキル保持には4ヶ月ごとに講習を受ける必要がある。キーワード:心肺蘇生術,一次救命処置,反復講習,スキル保持,胸骨圧迫
著者
福井 (岡田) 容子 福井 秀公 三浦 仁 渡辺 省五 一色 淳
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.24-30, 2001-04-20 (Released:2010-06-08)
参考文献数
20

本研究は, エンドトキシン (LPS) 誘発の脳細胞死に対する静脈麻酔薬の神経保護効果を脳内一酸化窒素代謝産物 (NOx) 動態を基盤として検索した。脳細胞は小脳顆粒細胞を分取し, 神経細胞とグリア細胞が混在した初代培養細胞を用いた。細胞死は蛍光発色法で定量解析を行った。NO産生は特製微小透析プローブで経時的にNOxを採集し, NO2およびNO3をグリース反応後, HPLC-UVシステムで測定し解析した。LPS未処置でNOx産生は認められなかったが, 処置後は明らかな経時的NOx産生が確認された。LPS20μg処置24時間後の細胞生存率は約60%であった。細胞死発現にともなうNOx産生は各種静脈麻酔薬の中でミダゾラムによってもっとも著明に阻害された。これらの結果は, 脳細胞死発現にともなってNO発生が生じ, ミダゾラムの脳保護効果はNO産生抑制と関連することが示唆された。
著者
阿部 富弥
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.32-38, 1987-04-25 (Released:2010-06-08)
参考文献数
18
著者
植田 広樹 田中 秀治 田久 浩志 匂坂 量 田中 翔大 中川 隆
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.1, 2017-04-01 (Released:2017-04-08)
参考文献数
9

病院外心停止例へのアドレナリン投与タイミングは地域MCにより様々である。傷病者接触からアドレナリン投与までの時間(以下,アドレナリン投与までの時間)と社会復帰率の関係を地域別に明らかにするため,全国ウツタインデータからアドレナリンを投与された40,970症例を抽出し解析した。アドレナリン投与までの時間は最短県で平均9.5±5.1分,最長県で平均19.8±7.5分と大きな差異をみた。アドレナリン投与までの時間と社会復帰率は負の相関を示し(y=-0.1592 x +5.6343;R2=0.184),早期投与ができている県ほど社会復帰率は高かった。今後,地域メディカルコントロール協議会は,自地域のウツタインデータを分析しアドレナリンを早期投与する方法を再検討する必要がある。
著者
小山 照幸 笠井 督雄 吉田 和彦 武田 聡 小川 武希
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生: 日本蘇生学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.33-37, 2010

2007年3月と2008年3月に同じ中学校で,3年生を対象に心肺蘇生法とAEDの講習を行い,同時に講習前にアンケート調査を行った。<br> 心肺蘇生法の講習経験のある生徒は約6割で,ひとりで心肺蘇生ができると答えた生徒は約3割と,2年間で変化はなかった。2007年秋にこの中学校にAEDが設置されたが,2008年のアンケートで,AEDの設置を知っている生徒は約8割,AEDの使用法を知っている生徒は4分の1で,2年間で変化がなかった。AEDを設置する際には,同時にその施設の関係者への教育が必須と思われた。中学生への心肺蘇生教育は救命率向上につながる可能性が高く,本人達の意欲も高いので積極的に進めるべきであると思われる。