著者
関 儀久
出版者
日本産業教育学会
雑誌
産業教育学研究 (ISSN:13405926)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.9-16, 2015-07-31 (Released:2017-07-18)

修学行商は、近代商業学校の教育課程が摸索された明治期に限定して急激な普及・衰退を見た教育活動である。本稿では、修学行商の創始・隆盛から衰退に至る過程を考察し、当時の商業学校関係者による教育課程の摸索状況の一端を明らかにした。修学行商に対する商業学校関係者のニーズは、実地調査と商業実習を教育課程上補完することであった。しかし、明治30年代の商業学校内部における修学旅行の発達により、実地調査は主に修学旅行が担うようになると、修学行商はその取り組み中の弊害の側面がクローズアップされ、急速に衰退の途を辿ることになった。