著者
佐山 公一 関口 椋太
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, 2017

中学生の学習動機の高低が内申書の高低とどう関係するかを,質問紙調査を行い調べた。調査は,塾の教室で授業後の時間を使って行われた。30人の中学生が,20の質問(達成目標傾向尺度,速水・伊藤・吉崎,1989, 2007)に回答した。因子分析(反復主因子法,エカマックス回転)を行い,固有値の推移から,3因子が見いだされ,純粋に勉強ができるようになりたいと思う学習願望,勉強ができると認められたいと思う承認欲求,賞賛や優越感を他者から感じる自己優越感,と解釈した。各因子の因子得点を計算し,内申書の成績で違いがみられるかどうかを分散分析した。その結果,学習願望では,内申書の主効果が認められた。上位(A,B)は,中位(C,D,E,F),下位(G,H,I,J,K)よりも有意に学習願望が高かった。これとは対照的に,承認欲求と自己優越感では,上位,中位,下位で違いが認められなかった。