著者
関岡 哲也 横川 勇仁 舩曳 信生 東野 輝夫 山田 朋弘 森 悦秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.3, pp.459-470, 2001-03-01
被引用文献数
24

唇の輪郭線は, 口腔外科における口唇裂症などの術式検討や術後トレースに重要であり, シンプルかつ高精度のモデルでの自動抽出が望まれている.そこで本論文では, 顔画像を入力とし, 前処理, 1次検出, 2次検出の3段階の処理を経て, 唇の輪郭線を関数で合成する手法を提案する.まず前処理では, 顔画像から唇の位置を検出し, おおよその大きさを決定する.次に1次検出ではDeformable templateマッチング法により唇のおおよその輪郭線を探索する.そして2次検出では, 遺伝的プログラミングを用いて置換と分割によって詳細な唇の輪郭線を探索する.本提案手法が従来の動的輪郭モデル(SNAKES)よりも精度, パラメータ数, 探索時間の点で優れていることを一般人の唇, 口唇裂症患者の唇のサンプルに対するシミュレーションにより示す.