著者
関島 建志 桐 博英 安瀬地 一作 木村 延明
出版者
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
農研機構研究報告. 農村工学研究部門 = Bulletin of the NARO (ISSN:24326674)
巻号頁・発行日
no.3, pp.119-125, 2019

既往最大雨量を記録するような豪雨が日本各地で多発する中,農業用排水機場が浸水し機能停止に陥る事例が発生している。農業用排水機場は農地排水を目的に計画されているが,都市化・混住化が進んだ地域では,排水機場の機能停止は住民の被災に直結する問題であり,耐水化による減災対策の重要性が増してきている。平成 30 年 5 月に改定された設計基準「ポンプ場」に耐水化対策が明記され,新設,更新施設では耐水化がなされることとなるが,既存の施設への対応は今後の課題である。本報では,排水機場の耐水化対策の現状及び先行した取組事例について調査を行った。農業用排水機場では,過去に浸水被害を被った地域,機場で対策が行われている。また,大規模津波で電気,水道が途絶した場合の対策を計画している事例がある。河川等類似施設では,都市部を中心に耐水化対策が進められている。