著者
矢崎 晴子 関川 純哉
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J105-C, no.7, pp.218-226, 2022-07-01

直流電源電圧48V,接点接触時の回路電流I0=50A-300Aの抵抗性負荷回路において,2種類の異なる開離装置を用いて開離時アークを発生させた.開離装置としては,実際の電磁リレー等と同様の開離機構であるばね式開離装置と,開離速度ごとの開離時アークの特性を把握しやすい等速開離装置を用いた.はじめに,ばね式開離装置による実験結果について,消弧直前のアーク長さLの電流I0依存性を解析した結果を示す.次に,等速開離装置を用いた実験結果について,LのI0依存性を示す.その後に両者の結果を比較する.開離装置によらない結果としては,I0の増大に伴いLが長くなる傾向があること,及びI0が200A以上の場合にはI0に対するLの増大は飽和傾向にあることが明らかとなった.各実験条件において,アーク形状の特徴についても説明し,アーク形状の電流依存性に関して考察する.