著者
關 茉莉絵 御領 政信 佐々木 淳 岡田 幸助
出版者
社団法人岩手県獣医師会
雑誌
岩手県獣医師会会報
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.88-91, 2009-01-01

野外採卵鶏の眼鏡下洞が腫脹し,化膿性肉芽腫が認められた成鶏より緑膿菌が分離され,幼雛に対する病原性を病理学的に検索した.10^9接種群では接種日齢にかかわらず接種後3日以内にほぼ全例が死亡したが,10^8接種群では接種日齢が高いほど死亡数が減少した.10^9接種群では接種12時間後で沈うつ,頭部下垂を示し,接種4日後の一部のひなでは遊泳運動,ふらつきなどの神経症状,片側眼瞼の閉鎖が認められた.肉眼的に死亡例では接種部位を中心とする胸腹部,大腿部などにおける重度の皮下水腫,組織学的にはほほすべての死亡例で化膿性筋炎,細菌塊を伴う血管周囲炎がみられたが,生残例では病変がほとんど認められなかった.