著者
板橋 知子 佐々木 淳 倉持 好 御領 政信
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.549-553, 2011-07 (Released:2012-12-03)

オカメインコにおける甚急性型オウム嘴羽病(PBFD)の作出を目的として、PBFDウイルス(PBFDV)接種実験を行った.PBFDV抗体フリーのオカメインコの幼雛(1~7日齢)5羽にウイルス乳剤を筋肉内接種し、接積後1、3、4、6、10週に剖検、全身諸臓器の病理組織学的検索を行った.また、剖検時に採取した組織を用いて、PCR法による病因学的検索を行った.接種後3週以降の症例でPBFDVの感染が成立していることが確認されたが、発症時期や病理組織学的検索結果は甚急性型PBFDよりも急性型PBFDの特徴と一致した.これらのことから、孵化間もないオカメインコ幼雛がPBFDVに感染しても急性型PBFDを発症し、甚急性型の実験的再現は難しいことが明らかになった.
著者
佐々木 淳 岡田 啓司 佐藤 至 佐藤 洋 千田 広幸 大谷 久美子 池田 光秀 池田 美喜子 山本 幸男 渡部 典一
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故から1年が経過した頃より、福島県の帰還困難区域内で飼育・維持されている黒毛和牛の皮膚に白斑がみられはじめ、放射線被ばくの影響が懸念されたことから、その原因究明のため調査・研究を行った。白斑は頭頚部、体幹部、四肢などほぼ全身で認められた。白斑の大きさは直径1cm程度であり、白斑部では被毛の白色化とともに皮膚が肌色に退色しているものもみられた。皮膚生検による組織学的検索では、病変部に一致してメラニン色素の減少・消失とメラノサイトの減数が認められた。本研究結果より本病変は尋常性白斑と診断され、原因はメラノサイトの減少と活性低下の可能性が示唆された。
著者
小林 沙織 佐々木 淳 御領 政信 内田 直宏 井口 愛子 山﨑 真大 佐藤 れえ子
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.215-221, 2019-04-20 (Released:2019-05-20)
参考文献数
17

常染色体優性猫多発性囊胞腎(feline autosomal dominant polycystic kidney disease:fADPKD)は,人ADPKDと類似した病態をとる.肝囊胞を有するfADPKDの猫3例の臨床病理学的検討を行った.肝臓の病理組織学的検査及び肝囊胞液の分析を実施した.3例は,すべてペルシャ種の雄であった.2例の肝臓に限局性で多房状の肝囊胞を認め,1例に大きな単胞性肝囊胞を認めた.大部分の肝囊胞は肝葉辺縁部に位置していたが,組織学的に,微小な肝囊胞が肝実質内にも認められた.肝囊胞は,一層の低立方状細胞で内張りされていた.肝囊胞液は,血清と比べ,K+及びBUN濃度は高く,Na+,Cl-,Cre濃度は類似していた.いずれの症例とも,肝機能低下を示唆する血液検査所見は認められなかった.
著者
古野 純典 神代 正道 佐々木 淳 清原 千香子 加藤 洋 安 允玉
出版者
九州大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1998

大腸がんは韓国にあっても増加傾向にある重要ながんであるが、韓国では大腸がんの発生要因に関する疫学研究はほとんどおこなわれていない。伝統的な食事と欧米化した食事が混在する韓国首都圏は大腸がんの疫学研究に適した地域と考えられる。韓国における大腸がんの遺伝的感受性要因とライフスタイル要因を多面的に検討する目的で、ソウル地区において患者対照研究を実施した。合わせて、大腸がんの部位別分布や病理組織学的特徴をも検討した。患者対照研究:ソウル大学病院及びハリム大学漢江聖心病院の入院患者を対象に大腸がん患者群と非がんの対照群を設定し、面接調査により喫煙、飲酒、運動および食事などのライフスタイル要因に関する調査をおこない、血液約10mlを採取した。1998年10月から1999年12月までの期間に大腸がん247例と対照226例から血液試料の提供が得られた。ライフスタイル要因ついての予備的解析では、喫煙及び飲酒による軽度なリスク上昇、赤身肉と関連した有意なリスク上昇、乳製品と関連した有意なリスク低下を認めた。野菜、果物との関連性はみられなかった。CYP1A1MspI、GSTM、葉酸代謝酵素MTHFR及びアポプロテインEの遺伝子多型の解析を進めている。病理学的比較研究:ソウル大学病院、久留米大学病院及び癌研究会病院の大腸がん手術症例それぞれ約200例を対象として、部位別分布と組織型などの病理学的比較をおこなった。ソウル大学病院手術症例約200例の検討では、わが国の手術症例に比べて、直腸がんの割合が高かったが、結腸がんの部位別分布には大きな差は見られなかった。組織学的には韓国症例で高分化型腺がんの頻度が多い傾向にあった。
著者
平井 啓 谷向 仁 中村 菜々子 山村 麻予 佐々木 淳 足立 浩祥
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.90.17239, (Released:2018-12-25)
参考文献数
27

It is necessary to develop the effective psycho-educational concepts and materials to enhance the uptake behavior of appropriate specialized institutions of mental health care, such as psychiatric clinics or centers providing psychotherapy. In this research, we developed the core concepts and materials, which can be used for the Web sites, or pamphlets intended to enhance appropriate uptake behavior, by conducting internet-based research and a formative interview based on a social marketing approach. As a result of an analysis of 819 first-time users of mental health care services that met eligibility criteria, descriptive characteristics of the uptake behavior for mental health care were revealed and the differences in mental health care literacy between people with a shorter distribution of the untreated period (DUI) and a longer DUI were clarified. By formative research based on the social marketing frame-work, we developed core concepts and materials consisting of the characteristics of the people with a shorter DUI (WHO), the messages about preventing a longer DUI (WHAT), and effective methods for presentation and communication (HOW).
著者
守谷 順 佐々木 淳 丹野 義彦
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.171-182, 2007
被引用文献数
1

本研究は,対人不安の維持要因として考えられている判断・解釈バイアスと自己注目との関連についての検討を行った。研究1では被調査者の大学生194名から対人不安高群53名,対人不安低群48名を対象に質問紙調査を行い,対人・非対人状況での判断バイアスと自己注目との関連について検討した。その結果,対人場面かつ自己注目時でのみ対人不安高群は対人不安低群に比べて否定的な判断バイアスが働くことを示した。研究2では,研究1と同様の被調査者を対象に肯定的とも否定的とも考えられる曖昧な対人・非対人状況での解釈バイアスについて質問紙調査を行った結果,判断バイアス同様,対人場面かつ自己注目時でのみ対人不安高群に顕著な否定的解釈バイアスが認められた。以上のことから,否定的な判断・解釈バイアスが対人不安高群に働くときは,対人場面であり,かつ自己注目状況であることが明らかにされた。
著者
佐々木 淳 丹野 義彦
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.397-402, 2005-10-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
18
被引用文献数
4 4

During adolescence, it is known that some experiences similar to mental disorders are observed in normal people. This study empirically examined the psychological factors causing the distress of egorrhea symptoms, i. e., the feeling that the internal state is “seen through.” Possible psychological factors were identified based on previous studies. A questionnaire battery was administered to undergraduate students and a series of multiple regression analyses was conducted on the questionnaire data with the degrees of distress as the dependent variable and psychological factors as independent variables. The results indicated that the distress of egorrhea symptoms in the situation of “blushing and dismay” was led by the idea of offending, the motivation for avoiding rejection, and suspicion; and that the distress of egorrhea symptoms in the situation of “disagreeable individual” was led by the idea of offending, motivation for avoiding rejection, and secrecy. The results suggest that the ideas of offending and the motivation for avoiding rejection have a significant influence on egorrhea symptoms. Finally, the relationship between egorrhea symptoms and communication was discussed.
著者
佐々木 淳
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

自我漏洩感とは、対入恐怖症や統合失調症等に広くみられる重要な症状であり、自分の内面的な情報(感情や思考)が他者に伝わったと感じる体験である。自我漏洩感については、これまで実証的な研究が行われてこなかったため、治療法開発に至っていない。本研究課題は、自我漏洩感による苦痛を長びかせる要因(維持要因)を対処方略の観点から明らかにし、治療法を考案することを目標とする。日本学術振興会特別研究員採用第3年度である平成19年度は、前年度に得られた維持要因についての知見に加えて、これまでの実証研究で示された知見に基づき、自我漏洩感に対してどのように認知行動療法的なアプローチがおこないうるか、そのプロセスの具体化を試みた。まず、自我漏洩症状をもっている人は、他者に気持ちがつたわってしまうと感じること自体に違和感を感じたり苦痛を感じたりしていること(佐々木・丹野,2005)が明らかになっている。よって、介入の第一段階として、自我漏洩感を持つことに対するノーマライジングを行なうことが必要である。その上で、自我漏洩感に没入してしまう対処行動は何か、自我漏洩感から距離をとることのできる対処行動は何か、について心理教育を行う必要がある。更に、自我漏洩感をどのようにとらえるかによって苦痛な体験となるか自然な心の働きと感じることができるかが決定されるため、その捉え方に焦点をあててその修正を試みる。今後は実際の事例に即して、プロセスの精緻化を行う予定である。
著者
井浪 義博 安東 嗣修 佐々木 淳 倉石 泰
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.132, no.11, pp.1225-1230, 2012 (Released:2012-11-01)
参考文献数
17
被引用文献数
1

The primary function of surfactants is to remove dirt, exfoliated corneum cells, and microorganisms from the skin. However, the use of toiletries such as soaps and shampoos containing surfactants may cause adverse effects such as cutaneous irritation, dryness, and itching. Recently, skin pathologies, including dry skin, rough skin, and sensitive skin, have increased because of changes in living conditions and lifestyle. Although many people with skin pathologies complain of itching during and/or after skin washing using detergents, the mechanisms of detergent-induced itch are yet to be elucidated. Therefore, in this study, we investigated the mechanisms underlying surfactant-induced itching. We found that topical application of an anionic surfactant sodium laurate at an alkaline pH, but not N-lauroylsarcosine sodium salt at neutral pH, to mouse skin induced scratching, an itch-related response. Additionally, we found that the sodium laurate-induced scratching was inhibited by H1 histamine receptor antagonist, but not mast cell deficiency. Sodium laurate application increased histamine content and the level of the active form (53 kDa) of L-histidine decarboxylase (HDC) in the mouse epidermis, but not the dermis. Furthermore, addition of sodium laurate to a human epidermal cell culture increased histamine release and HDC levels, without affecting cell viability. These results suggest that surfactants with alkaline properties are pruritogenic and that the pruritus is induced by the histamine released from epidermal keratinocytes. The increase in histamine release may be attributable to the activation of HDC in epidermal keratinocytes.
著者
村田 希吉 大友 康裕 久志本 成樹 齋藤 大蔵 金子 直之 武田 宗和 白石 淳 遠藤 彰 早川 峰司 萩原 章嘉 佐々木 淳一 小倉 裕司 松岡 哲也 植嶋 利文 森村 尚登 石倉 宏恭 加藤 宏 横田 裕行 坂本 照夫 田中 裕 工藤 大介 金村 剛宗 渋沢 崇行 萩原 靖 古郡 慎太郎 仲村 佳彦 前川 邦彦 真山 剛 矢口 有乃 金 史英 高須 修 西山 和孝
出版者
一般社団法人 日本外傷学会
雑誌
日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.341-347, 2016-07-20 (Released:2016-07-20)
参考文献数
26

【目的】重症外傷患者における病院前輸液と生命予後, 大量輸血および凝固異常との関連について明らかにする. 【対象と方法】Japanese Observational Study of Coagulation and Thrombolysis in Early Trauma (J–OCTET) で後方視的に収集したISS≧16の外傷796例について, 28日死亡, 大量輸血 (24時間Red Cell Concentrate : RCC10単位以上), 外傷性血液凝固障害 (Trauma–Associated Coagulopathy : TAC : PT–INR≥1.2と定義) の3つを評価項目として, 病院前輸液施行の有無の影響を検討するために多変量解析を行なった. さらに年齢 (65歳以上/未満), 性別, 重症頭部外傷合併の有無, 止血介入 (手術またはIVR) の有無により層別化解析した. 【結果】病院前輸液施行85例, 非施行711例であり, 両群間における年齢, 性別, 28日死亡, 大量輸血, 止血介入に有意差を認めなかった. 病院前輸液群ではISSが高く (中央値25 vs. 22, p=0.001), TACが高率であった (29.4% vs. 13.9%, p<0.001). 病院前輸液は28日死亡, 大量輸血の独立した規定因子ではなかった. TACの有無を従属変数とし, 年齢・性別・病院前輸液の有無・ISSを独立変数とするロジスティック回帰分析では, 病院前輸液 (オッズ比 (OR) 2.107, 95%CI 1.21–3.68, p=0.009) とISS (1点増加によるOR 1.08, 95%CI 1.06–1.10, p<0.001) は年齢とともに独立したリスク因子であった. 層別解析では, 65歳未満 (OR 3.24, 95%CI 1.60–6.55), 頭部外傷合併 (OR 3.04, 95%CI 1.44–6.42), 止血介入例 (OR 3.99, 95%CI 1.40–11.4) において, 病院前輸液は独立したTACのリスク因子であった. 【結語】ISS≧16の外傷患者に対する病院前輸液は, 28日死亡および大量輸血との関連は明らかではないが, TAC発症の独立したリスク因子である. 特に65歳未満, 頭部外傷合併, 止血介入を要する症例に対する病院前輸液は, TAC発症のリスクとなる可能性がある.
著者
佐々木 淳
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.101-115, 2016 (Released:2016-08-12)
参考文献数
76

本稿は, 本邦における臨床心理学の動向と課題, そして2014年7月から2015年6月末までの1年間での本邦の臨床心理学に関する研究の概観という2つの話題を扱っている。前半部では, 1997年以降の『教育心理学年報』の臨床部門の論文から, 臨床心理学のあるべき姿について確認した。そして, 臨床心理学の知見の意味理解の重要性を指摘し, エビデンス・リテラシーの教育と事例研究の必要性を論じた。また, 専門家を対象とした研究への期待を述べた。後半部では, 4つの学術雑誌から45の論文をレビューして紹介した。
著者
原 大周 小塩 平次郎 佐々木 淳 矢野 貴久 弓取 修二
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
年次大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1100-1103, 2006
参考文献数
3

過去の教訓に学びつつ、プロジェクト担当者がマネジメント上の分岐点で判断する際に参照できる情報を蓄積し、まとめることは極めて重要である。筆者らは、プロジェクトの中間・事後評価又は追跡調査・評価等から得られる情報を活用し、「NEDO研究開発マネジメントガイドライン(以後、「ガイドライン」という。)を作成した。このガイドラインは、プロジェクトの進捗段階に応じて立ち上げ段階から終了段階まで6つのフェーズに分類し、レビューポイントを明確化した。具体的には、「(1)先導調査の提案」として、先導調査の着手の判断を行うフェーズ、「(2)先導調査の実施・予算要求」として、プロジェクト予算要求の是非の判断を行うフェーズ、「(3)プロジェクト基本計画の策定」として、プロジェクトの骨格となる基本計画を策定するフェーズ、「(4)プロジェクトフォーメーションの決定」として、プロジェクトの実施体制・スケジュール等の詳細決定を行うフェーズ、「(5)実施段階」として、日々のマネジメントと各種評価の反映を行うフェーズ、「(6)終了段階」として、終了間近な時点におけるフォローアップを行うフェーズ、を設定した。全6つのフェーズのうち4つを立ち上げ段階が占めるのは、これらが特にプロジェクトの成功・失敗に大きな影響を及ぼすと考えられるためである。本稿ではこの立ち上げ段階にターゲットを絞り、ガイドラインで示した着目すべき指標とNEDOのマネジメントのあり方について検証した。
著者
佐々木 淳 倉石 泰
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.127, no.3, pp.151-155, 2006 (Released:2006-05-01)
参考文献数
76

神経因性疼痛は長期間持続する難治性の疼痛である.持続的な痛みは患者のQuality of Lifeを著しく低下させることから,痛み自体が治療の対象となる.しかし,従来の鎮痛薬では疼痛を十分にコントロールすることは難しい.また,同一症状の疼痛でも疼痛発症機序は多様であり,同一の治療法の効果は一様ではない.神経因性疼痛モデルは数多く報告されており,末梢神経損傷するタイプ,病態特異的タイプ,化学療法薬誘発タイプに分けられる.ヒト同様,モデルによって疼痛発症機序に違いがあり,薬物の効果も大きく異なる.絞扼性神経損傷(chronic constriction injury)モデル,坐骨神経部分損傷(partial sciatic nerve ligation)モデル,脊髄神経結紮損傷(spinal nerve ligation)モデルは,いずれも末梢神経損傷タイプの神経因性疼痛モデルであるが,疼痛の種類によっては発現のしやすさがモデル間で異なり,交感神経依存性やモルヒネ感受性にもモデル間で明らかな違いがある.神経栄養因子は3つのモデル全てで関与が報告されているが,substance P―neurokinin受容体系とglutamate―N-methyl-D-aspartate受容体系は,モデルによって,また疼痛の種類によって関与の程度が大きく異なる.各々のモデルでの疼痛機序は異なると考えることが重要であり,様々な神経因性疼痛のモデルで検討すること,そして,このようなモデル間の差がどのようにして生じるのかを明らかにすることが非常に重要である.
著者
金谷 俊平 御領 政信 佐々木 淳 宍戸 智 岡田 幸助
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.62, no.10, pp.810-814, 2009-10-20

16歳齢の日本猫、雑種の去勢雄が、歩行困難、起立困難、ふらつき歩行等があるとの主訴で来院し、初診日の9日後には顔面から前肢に至る痙攣発作が認められた。その時の血糖値は著しく低値で(32mg/dl)、臨床的にインスリノーマが疑われた。試験的開腹術により、膵臓右葉における直径6mmの単発性腫瘤を摘出、病理組織学的に島細胞腫と診断された。コンゴー赤染色では、間質にアミロイドの沈着が証明され、腫瘍細胞は免疫組織化学的にクロモグラニンAに対して陽性、インスリンに対して陰性を示した。電顕検索では、腫瘍細胞は径100〜250nmの分泌顆粒を有していた。短桿状のコアを有し限界膜との間にハローが存在する典型的β顆粒はまれで、電子密度の高い球形の異型顆粒が多く認められた。