著者
佐藤 啓一 阪口 ナミ
出版者
Japanese Society for Tropical Agriculture
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.79-82, 1968

カカオの温室における開花機構を調べ, また花粉の寒天培養によつて花粉の性質を調べた結果,<BR>1.カカオの花粉は, 蔗糖10%, 寒天1.5%を用い28℃1夜放置で良好な発芽を示した.<BR>2.花粉発芽率は午前がよく, 午後も2時を過ぎると低下する.<BR>3.室内放置の花粉は24時間後には, 寒天培地上での発芽力は少なかつた.<BR>4.受粉後, 受精までには.少なくとも14時間を要した.<BR>5.開花1日後には殆ど落花するが.良好な花ほど着花時間は長い.
著者
佐藤 啓一 阪口 ナミ
出版者
Japanese Society for Tropical Agriculture
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.115-119, 1967-12-28 (Released:2010-03-19)
参考文献数
4

電熱利用温室におけるカカオ樹栽培の結果, 毎年約20個のカカオの果実を収穫することが出来た.温室内においても, 開花結実はほとんど一年を通じて行なわれるが, 結実後の落果が多く, 収穫できるのは, 10月から12月頃の開花盛んな頃の人工受粉により得られたもので, その時の月平均気温は, 27℃前後であった.収穫したカカオの実は, 形態的にやゝ小さく, カカオ豆は不良豆がやゝ多く, 1個平均重もやS小さかったが・それを除けば, 充実した多くのカカオ豆を得ることができた.おわりにこの研究の発表を許可下さった森永製菓株式会社に深謝すると共に, 終始御助力下さった, 製菓鶴見研究所玉木技監, 塚口分室須山分室長に感謝の意を表する.