著者
阿知波 信夫 片寄 政彦 阿部 一博
出版者
Japan Association of Food Preservation Scientists
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.341-346, 2003-12-30 (Released:2011-05-20)
参考文献数
28
被引用文献数
6 9

強酸性電解水を利用したカットキャベツの実用的な殺菌処理方法を確立した。カットキャベツの処理量に対する処理水量の比率および処理時間を, 従来の殺菌剤である次亜塩素酸ナトリウム水処理と比較して同等の殺菌効果となる条件を明らかにした。続いて強酸性電解水と次亜塩素酸ナトリウム水で処理後のカットキャベツ中のトリハロメタン量を経時的に測定したところ, 次亜塩素酸ナトリウム水処理では保存72時間後までほぼ一定して0.05mg/kgのクロロホルムが検出し続けたのに対し, 強酸性電解水処理では直後でも不検出であった。官能試験 (パネラー30名) では次亜塩素酸ナトリウム水処理直後臭いや食味に問題ありと判定した人が半数以上いたが, 強酸性電解水処理では直後でも異常ありと判定した人は1名以下であった。また, 次亜塩素酸ナトリウム水処理では放置60分後には臭いや食味で異常ありと判定した人は2名以下となった。つまり, トリハロメタンは残存していたにもかかわらず, 臭いや食味では異常を感じないということが判明した。強酸性電解水処理ではトリハロメタンの生成もなく, 消費者へ提供する直前に食品を処理しても臭いや食味にほとんど異常を与えない点からも, 有効な処理方法であるといえる。
著者
阿知波 信夫 片寄 政彦 阿部 一博
出版者
日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 = Food preservation science (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.341-346, 2003-12-30
参考文献数
28
被引用文献数
13 9

強酸性電解水を利用したカットキャベツの実用的な殺菌処理方法を確立した。カットキャベツの処理量に対する処理水量の比率および処理時間を, 従来の殺菌剤である次亜塩素酸ナトリウム水処理と比較して同等の殺菌効果となる条件を明らかにした。続いて強酸性電解水と次亜塩素酸ナトリウム水で処理後のカットキャベツ中のトリハロメタン量を経時的に測定したところ, 次亜塩素酸ナトリウム水処理では保存72時間後までほぼ一定して0.05mg/kgのクロロホルムが検出し続けたのに対し, 強酸性電解水処理では直後でも不検出であった。官能試験 (パネラー30名) では次亜塩素酸ナトリウム水処理直後臭いや食味に問題ありと判定した人が半数以上いたが, 強酸性電解水処理では直後でも異常ありと判定した人は1名以下であった。また, 次亜塩素酸ナトリウム水処理では放置60分後には臭いや食味で異常ありと判定した人は2名以下となった。つまり, トリハロメタンは残存していたにもかかわらず, 臭いや食味では異常を感じないということが判明した。強酸性電解水処理ではトリハロメタンの生成もなく, 消費者へ提供する直前に食品を処理しても臭いや食味にほとんど異常を与えない点からも, 有効な処理方法であるといえる。
著者
阿知波 信夫
出版者
日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 = Food preservation science (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.91-99, 2006-05-31
被引用文献数
7 8

日本は今、"豊食"の時代と呼ばれ、多種多様な食べ物を、しかも手軽に入手し摂食することができる。しかしながら、遺伝子組換え野菜、残留農薬問題、調理時の微生物汚染由来の食中毒など、食の安全の確保は最も重要なテーマのひとつである。そこで、これら様々な問題を解決する手段として電解水に着目し、各ステージに合った具体的利用とそのときの効果をまとめた。第1章で農産物の生産現場での病害の防除を目的とした利用法について、第2章では培養液ならびに葉面散布液として利用したときの農産物の生育ならびに内容成分への影響について、第3章では収穫後の農産物の微生物汚染の機序とその対策について、そして第4章では最も一般的な殺菌剤である次亜塩素酸ナトリウムと比較したカット野菜への殺菌効果ならびに品質への影響について調査した結果を報告する。