著者
石井 正和 大西 司 下手 葉月 長野 明日香 石橋 正祥 阿藤 由美 松野 咲紀 岩崎 睦 森崎 槙 佐口 健一 相良 博典 巖本 三壽
出版者
特定非営利活動法人 日本禁煙学会
雑誌
日本禁煙学会雑誌 (ISSN:18826806)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.12-20, 2017-02-28 (Released:2017-03-25)
参考文献数
20

【目 的】 禁煙外来を受診した患者へのアンケート調査により、保険薬局薬剤師(以下薬局薬剤師)による禁煙支援の必要性と、実際の薬局での禁煙支援の現状の把握から、薬局薬剤師の禁煙支援業務について考察する。【方 法】 昭和大学病院の禁煙外来を受診した患者を対象にアンケート調査を実施した。【結 果】 回収率は59%(36/61名)だった。対象者は、男性69%、女性が28%、平均年齢は58歳であった。禁煙を始めるとき、56%の患者は医師に相談したと回答したが、薬局薬剤師に相談した患者はいなかった。同様に、58%の患者は禁煙外来を医師から教えてもらったと回答したが、薬局の薬剤師から教えてもらった患者はいなかった。保険薬局の薬剤師による禁煙支援(禁煙の勧め、禁煙補助薬の供給・服薬指導、禁煙指導、禁煙外来への受診勧奨の4項目)の必要性を75%以上の患者は感じていたが、患者の視点では薬剤師による禁煙支援は4項目すべてにおいて患者の望む環境にはなっていなかった。しかしながら、薬剤師による禁煙支援を受けた経験がある患者は、その支援に65%以上が満足していた。【結 論】薬局薬剤師による禁煙支援体制は、患者は必要と感じているものの、患者視点では現実は不十分であることがわかった。薬局薬剤師がより良い禁煙支援を行うためには、さらなる努力が必要だと思われる。
著者
森崎 槙 大西 司 長野 明日香 阿藤 由美 松野 咲紀 石橋 正祥 相良 博典 巖本 三壽 石井 正和
出版者
特定非営利活動法人 日本禁煙学会
雑誌
日本禁煙学会雑誌 (ISSN:18826806)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.64-70, 2017-06-29 (Released:2017-07-28)
参考文献数
18

【目 的】 禁煙補助薬のバレニクリン(α4β2 ニコチン受容体部分作動薬)による禁煙治療における副作用発現に関連する要因を明らかとする。【方 法】 2008年9月から2015年12月まで昭和大学病院附属東病院または昭和大学病院の禁煙外来を受診した190名(男性127名、女性63名)を対象とした。多変量解析を用いて、バレニクリンによる副作用発現に関与している因子を抽出する。【結 果】 90名[男性52名(40.9%)、女性38名(60.3%)]の患者で副作用が認められた。主な副作用は悪心・嘔吐であった。多変量解析の結果、バレニクリンによる副作用発現に、女性、禁煙チャレンジ、呼気一酸化窒素濃度が独立して関与していた。オッズ比はそれぞれ、2.281倍(男性 vs. 女性、95% 信頼区間1.098〜4.738)、2.506倍(禁煙チャレンジ 経験なしvs.経験あり、95% 信頼区間 1.250〜5.021)、2.404倍(25 ppm以上 vs. 25 ppm未満、95% 信頼区間1.046 ~5.525)だった。【考 察】 女性、禁煙チャレンジ、呼気一酸化窒素濃度が、バレニクリンによる副作用発現に独立して関与していた。バレニクリンによる禁煙治療をより良くするためには、副作用発現の危険因子を持つ患者に対しては、減量投与や予防療法を行うことを考慮すべきであると考える。