- 著者
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大西 司
足立 満
- 出版者
- 社団法人 日本感染症学会
- 雑誌
- 感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
- 巻号頁・発行日
- vol.81, no.6, pp.689-694, 2007-11-20 (Released:2011-02-07)
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
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平成16年1月昭和大学東病院でノロウイルスによる感染性胃腸炎のアウトブレイクを経験し, 12日間で患者20名, 職員19名が発症した. 流行曲線からヒトーヒト感染例と考え, 標準予防策を行ったが, 感染はフロア全体に広がった. 感染対策は保健所の指導を仰ぎ実践した. 手洗い, 消毒手袋-マスク-防護衣着用の徹底移動制限, 隔離部屋をつくるなどの厳密な院内感染対策により, 感染を1フロアに留めることができた. また同3月, 病院食堂に端を発したノロウイルスによる食中毒事例が発生し54名の職員および患者家族1名が発症したが, 早期に発症者を把握し出勤停止をかけることで二次感染を防止できた. 早期の感染対策すなわちアウトブレイクの発生を知り周知させること, 健常者と患者を分けること, そして感染防御を行うことは, 感染症のコントロールを行う上で重要と思われた.