著者
阿部 信之 橋本 良二
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.632-638, 2005-05-31
被引用文献数
2 3

上層木を強くすかした林地にコナラ果実を播き付け, 落葉被覆が実生の発生と成長に及ぼす影響を調べた。また, 圃場で, 落葉被覆が地表下3cmの土壌の温度とpF値に及ぼす影響を調べた。落葉被覆の影響は, 土壌のpF値に対して顕著であった。被覆量200gm^<-2>以下では土壌乾燥は急速に進んだ。一方, 400gm^<-2>以上では土壌乾燥は大きく抑制された。実生の発生率は, 被覆量90gm^<-2>では5%であったが, 被覆量180gm^<-2>および360gm^<-2>ではともに40%を示した。1成長期を経た実生重は, 被覆量によって異なり, 360gm^<-2>では180gm^<-2>に比べ20%近く大きかった。実生重については, 果実重や実生発生時期のほかに, シュート伸長様式が関与しており, 落葉被覆は実生発生時期と二次伸長の促進にかかわっていた。厚い落葉被覆は, 実生発生時期を遅らせるが, 二次伸長を促進した。厚い落葉被覆がもたらす土壌の湿潤性が, 二次伸長の促進を通して, 実生の成長量を増加させると考えた。
著者
阿部 信之 橋本 良二
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.484-491, 2008-02-29

播種時におけるコナラ種子の乾燥が,芽生えの発達経過や成長量にどのように影響するかを調べた。播種から出芽までの期間は,無乾燥に比べ弱度の乾燥でむしろ短くなり,さらに乾燥日数が増すと長くなった。播種から出芽までの期間の長い芽生えでは上胚軸伸長期間や展葉期間は短くなった。しかし,播種から展葉終了までの全期間は,播種から出芽までの期間に依存していた。種子乾燥にともなう播種から出芽までの期間の増大は,種子の脱水率の増大で説明されなかった。種子乾燥がもたらす芽生えの成長量の低下については,播種から出芽までの期間の長期化と脱水率の増大がそれぞれ関係していた。乾燥にともなう不出芽種子の出現状況を考えあわせ,播種に際しては,乾燥日数で5日間,脱水率では10%に至らない取り扱いが,一応の目安になると判断した。