- 著者
-
阿部 千恵
村上 賢一
藤澤 宏幸
- 出版者
- 日本理学療法士学会
- 雑誌
- 理学療法学 (ISSN:02893770)
- 巻号頁・発行日
- vol.43, no.2, pp.136-142, 2016 (Released:2016-04-20)
- 参考文献数
- 20
- 被引用文献数
-
4
【目的】急性期脳卒中患者の筋厚を測定し,その経時的変化について検討した。【方法】発症後24時間以内の初発脳卒中患者の麻痺側,非麻痺側の筋厚(外側広筋(以下,VL),前脛骨筋(以下,TA)),周径(大腿周径5 cm,大腿周径10 cm,下腿最大周径)を1病日から連続して7病日,その後14,21,28病日に測定した。【結果】VL,TA の筋厚減少は両側で2病日から生じ, 28病日まで減少が継続した。二元配置分散分析の結果,病日と測定肢の間に交互作用は認められなかったが,VL,TA は病日において主効果が認められた。周径では,病日と測定肢の間に交互作用は認められなかった。大腿周径はともに病日と測定肢において主効果が認められ,下腿周径は病日に主効果が認められた。【結語】急性期脳卒中患者では,廃用症候群が非常に早期から生じ,麻痺側・非麻痺側両方に筋萎縮をもたらしている可能性が示唆された。