著者
陣門 泰輔 佐藤 治雄 森本 幸裕
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.397-402, 2000-05-20
被引用文献数
10 5

本研究では森林表土の持つポテンシャルを評価し, その利用法を検討することを目的とした。大阪府茨木市のアベマキ林, モウソウチク林, 千早赤阪村のシイ林, 泉佐野市のコナラ-アオモジ林, 兵庫県西宮市のアカマツ林の森林表土を荒廃地のモデルとした土壌基盤に播きだし, 活性炭素混入, 施肥, 土壌基盤・マサ土との混合, コバノミツバツツジの追加播種などの追加処理を行い, 全木本発芽個体の消長, 高さ・葉張りを追跡調査した。どの森林表土からもアカメガシワなどの先駆木本種の発芽がみられ, 成長を続けた。森林表土播きだしが荒廃地における早期の植生回復に有効であり, 施肥によってより早期の植生回復が望めることがわかった。
著者
中村 彰宏 衣笠 斗基子 陣門 泰輔 谷口 伸二 佐藤 治雄 森本 幸裕
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.79-84, 2002-08-31
被引用文献数
12 15 17

関西地方の18箇所の森林から表土を採取し,撒き出し施工および実験を行った。多くの森林に生育していたコナラ,アベマキの実生出現頻度は小さかったが,ヒサカキの群落および実生出現頻度はともに大きかった。群落での出現頻度の小さかったアカメガシワ,ヌルデなどの実生出現頻度は大きく,平均埋土種子密度も7個/m^2以上と大きく,表土撒き出し緑化によって,これらの先駆種からなる群落形成の可能性が示された。複数のサブプロットの組み合わせで算出した種数,多様度指数-面積曲線によって,異なる面積のプロット間での多様性の比較が可能となった。低密度出現種の多いプロットでは,出現種数は面積の影響を大きく受けるため,種多様性評価を行う場合には大面積の調査が必要であることが明らかとなった。