著者
陳 淑梅 大野 澄雄 しゃ 錦華 亀田 弘之
出版者
東京工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究の目的は、中国語発音学習において最も基本となる声調、母音、子音の「発音の質」を可視化することを通じて、学習者が楽しく学習できる中国語発音学習システムを構築することである。本研究の特徴は、音声の質の可視化により中国語発音のメカニズムを目で見て理解できること、学習者の発音と手本となる発音との差異が直観的に確認できること、その結果、発音を自ら修正・改善し、さらに、改善結果がフィードバックされ、学習の動機付け強化に繋がることである。いままで、発音の質の可視化手法と発音改善法を確立し、個々人の改善点を具体的にアドバイスするルールを作成した。また、中国語発音改善法を確立し、その手法をNHKテレビ「テレビで中国語」で実践し、その成果と有効性を確認した。令和元年度には、複母音、そり舌音と舌面音以外の子音の可視化の制作に着手した。また、作成した中国語発音改善法に基づく発音学習システムについて、東京工科大学令和元年度の中国語初級クラスで実際に採用し、提案手法の有効性とユーザビリティについて評価を行った。具体的に、授業と自宅での復習で本システムを繰り返し利用させ、学んでいる各段階でどのような改善が見られるか随時チェックをし、最終的には、学期末の発音テストで効果を確認した。各段階におけるアンケート調査によりアドバイスの適確性を調べ、また、学期末のアンケート調査で総合評価を行った。本システムを採用していないクラスに比べ、本システムを採用したクラスの成績は全般的によく、特に、五段階評価(S, A, B, C, D)でSとAの学生合計は全体の半数以上となった。
著者
横井 俊夫 しゃ 錦華 陳 淑梅 亀田 弘之 楊 立明 大野 澄雄
出版者
東京工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究は当初の計画に従い以下の研究成果を得た。1.中国語音節片仮名表記法(jピンイン)の最適化中国在住の中国語母国語話者を対象とする聴取実験により、中国語音節の日本語仮名表記法(jピンイン)を体系として最適化した。なお、以下の研究成果はこの成果に基づき実現されたものである。2.日中対応表記辞書のコンテンツの作成と評価一般旅行者用観光ガイドブックの索引情報や中国資料集を素材として、一般観光客に有用な地名(観光地名477個、都市名80個)および主要な人名(姓51個、名45個)を網羅的に収集し、データベースシステムACCESS2000に格納した。また、学術的観点・実用的観点からの妥当性を確認した。3.知的検索支援システムの実装と評価中国語未学習の日本人でも比較的容易に入力できるように、ピンイン入力、偏や旁さらには画数による文字候補限定による入力の他に、図形的類似に着目する「日中類似変換」方式を提案し、知的検索支援システムとして実装し、学術的観点・実用的観点から妥当性を確認した。4.日中表記対応辞書のシステムとしての評価上記の中日表記対応辞書と知的検索支援システムとをHTML、php、VB、MySQLにより作成し統合した。中国語(GB2313コード)入力に関しては既存の日本語用IME(4,402文字)と上記4の方法(2,361文字)を併用する方式を採用した。5.Webサーパーの構築とWeb化の実験上述の成果をWeb形式で公開するためにWebローカルなサーバーを構築し、マニュアルのオンライン化を含めWeb化実験を行ない、初の計画通りの動作を確認した。6.システムの総合的評価最終年度統合した辞書・検索システムをアンケート形式で総合的に評価し、表示画面の構成、操作性、機能性に関し概ね良好であることを確認した。
著者
陳 淑梅 亀田 弘之 しゃ 錦華 大野 澄雄
出版者
東京工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は,個人適応role-playing手法を組み込んだ実践的技術中国語学習システムを構築することを目的とし,以下の研究成果が得られた。〓Web集合知という概念を本研究に適用し,予備テスト問題の自動作成手法を提案し,それをもとに,個人適応専用教材の構築手法を提案した。〓Role-playing型会話スキットの作成において,学習者が仮想的な対話者とインタラクティブに対話ができる環境作成を検討し,未知語の処理手法を提案した。〓学習者の発話を分析し,その感情変化や発話意図を推定する手法と精度を検討し,学習者の疲労度や感情をより適切に表現できるようになった。