著者
伊藤 敏男 隅田 真代 山本 禎紀
出版者
日本家畜管理研究会(現 日本家畜管理学会)
雑誌
家畜の管理 (ISSN:03888207)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.73-80, 1990-03-16 (Released:2017-10-03)

メン羊の行動変化に伴う熱産生量(HP)の変動を明らかにするために、4頭の去勢羊を用いて、起立(S)、横臥(L)、起立反芻(SR)および横臥反芻(LR)に対応するHPを、ヘイキューブ、生草および配合飼料を給与したチャンバー内ストール飼育条件下で求めた。同時に、心拍数(HR)の測定を行い、HPとHRと行動の相互関係について考慮し、以下の結果を得た。1)メン羊の行動変化に伴いHPとHRは大きく増加し、HPのレベルは、L&lglt;S&lglt;LR&lglt;SRの順となり、HRもほぼ同様の傾向であった。2)反芻に伴うHPの増加量は、横臥および起立時の場合とも、3kJ/kg^<0.75>・h前後であった。起立時と横臥時のHPの差は、非反芻時1.7kJ、反芻時1.3kJ/kg^<0.75&lg;・hであり、この値は、採食前あるいは後においても、給与飼料を変えた場合でもほぼ同じであった。3)HPとHRの相関図に行動を加味して検討すると、例えば反芻行動時においては、HRの増加の割にHPの増加が大きく、反芻時と非反芻時ではHRとHPの変化割合が異なる可能性を示した。 家畜の管理、25(3) : 73-80.1990.1990年1月9日受理