著者
木村 郁郎 坪田 輝彦 上田 暢夫 多田 慎也 吉本 静雄 十川 重次郎 白石 高昌 玉木 俊雄 植野 克巳 藤田 豊明 今城 健二 入江 正一郎 難波 次郎 福田 俊一
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.27, no.9, pp.1074-1081, 1989-09-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
9

びまん性汎細気管支炎 (DPB), 特発性間質性肺炎 (IIP) の中にATLを発症ないし抗ATLA抗体陽性を示すもののあることを見いだしたが, ATLの側からみればその肺病変の中に肺炎とか腫瘍細胞浸潤以外に細気管支肺胞領域に特異的な病態像を形成するものがあり, この病態をHTLV-I関連細気管支・肺胞異常症, HTLV-I associated bronchiolo-alveolar disorder (HABA) と称した. そして, これまでに見いだした細気管支型5例及び肺胞型1例の計6例の臨床的特徴について述べた. 本病態はHTLV-I感染後長年の間に形成されるものと考えられるが, DPB, IIPの成因についての示唆を与えるものと思われる.