著者
青地 忠浩
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会誌 (ISSN:18802761)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.256-266, 2018 (Released:2018-12-01)
参考文献数
13
被引用文献数
2

サプライチェーンリスクマネジメント(SCRM)とは、サプライチェーンに影響を及ぼす様々なリスクを体系的に特定・分析・評価し、リスクを低減するための戦略と対策を策定・実行し、継続的に管理していくためのプロセスのことである。本稿では、SCRMの基本的な考え方と、自然災害、政治・地政学リスク、情報セキュリティ、枯渇性資源や紛争鉱物、環境問題、人権問題といった注目すべきサプライチェーンリスクを紹介する。また、SCRMの実践において重要なレジリエンスの考え方と、それを踏まえてSCRMを体系的かつ継続的に行うために必要な要素を整理する。さらに、基本方針の策定および現状分析から、リスク戦略の策定、監視・検知・対応計画、実施・運用・改善に至るまでのSCRM構築のフレームワークを解説する。