著者
中西 徹 青山 和佳
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は,階層間流動化が慢性的貧困を緩和するという作業仮説について,貧困層が有する社会ネットワークの動態に着目し,マニラ首都圏とダバオ市の事例を検討した。その結果,マニラ首都圏の貧困層にあっては,主体的な活動を通して,階層間流動化を促進し得る余地が存在するのに対して,ダバオ市においては,現在までのところ,上位層からのアプローチのみが階層間流動化に貢献できる状況にあることがあきらかになった。