著者
青山 比呂志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.349-352, 1975-04-15

1970年に発表されたシステム/370の特徴の一つは,60年代の360に較べ,ロジック回路のハイブリッド(SLT)からモノリシック(MST)へ,メモリのコア・メモリから半導体メモリへの変換に伴う高性能化である.半導体メモリは,すでに1968年にシステム/360/85のキャッシュ・メモリとして採用されていたが,370に至って先ず,370/145のメイン・メモリとして発表され,メイン・メモリの主流としてコア・メモリをしのぐコスト/パフォーマンスをあげている.1972年8月,370のVS(仮想記憶装置)の発表と同時に,それまでのバイポーラ型メモリに加えて,新しくNチャネルMOSFETの半導体メモリを370/158および168に採用し,メモリのハード・ソフト両面にわたる進展を示した.半導体メモリはICの製造技術,回路設計の大きな進歩により,今や信頼性,価格,実装密度ともにすぐれたメモリ・システムを,コンピュータ客先に提供できる時代になっている以下にこの370のメイン・メモリの概略について述べる.