著者
青山 隆彦 小山 修司 川浦 稚代 杉本 成人 藤井 啓輔 瀬口 繁信 川崎 稔生
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.270-281, 2012 (Released:2013-12-17)
参考文献数
17
被引用文献数
1

Data are presented on radiation doses to infant, child and adult patients undergoing head, chest and abdominal CT examinations with recent multi-detector row CT scanners (MDCT). Also presented are dose data in CT coronary angiography(CTCA) observed with Toshiba 320MDCT and Siemens 64MDCT. The doses were measured using newborn, 6-year-child and adult anthropomorphic phantoms, in which photodiode dosimeters were implanted at various tissue and organ positions. Measured doses were used to evaluate organ and effective doses. Organ doses in the scan region obtained in head CT were 20-40 mGy for infants and children, and 40-70 mGy for adults. Effective doses in head CT were 2.1-3.3 mSv for infants,and 1.0-2.0 mSv for children and adults. These doses in chest CT were 3-9 mGy and 2-6 mSv for infants, 2-12 mGy and 1-7 mSv for children, and 5-35 mGy and 7-14 mSv for adults. In abdominal CT they were 3-14 mGy and 2-10 mSv for infants, 4-18 mGy and 3-12 mSv for children, and 10-48 mGy and 9-21 mSv for adults. In CTCA radiation doses for helicalscan without using dose modulation were reduced to less than 1/6 and 1/10 by using prospectively gated axial scan of Toshiba320MDCT and “Flash Spiral” scan of Siemens 64MDCT, respectively.
著者
内山 武人 宮本 葵 青山 隆彦
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

アスリートが禁止薬を「故意」に摂取したのか、あるいは「うっかり」して摂取したのかを正しく判断する際に、代謝物に関する情報を分析することは大きな意味を持つ。本研究では、気管支拡張薬として用いられる一方で、筋肉増強薬としてドーピング禁止薬に指定されているクレンブテロールとその代謝物に着目する。複数の想定代謝物を化学的に合成し代謝物の同時定量法を確立するとともに、確度の高い薬物動態モデルを構築し、ドーピングの適正な判断に資することが本研究の目的である。本研究により得られた知見は、ドーピング検査においてより正確な判定を可能とし、公正なスポーツを行うための活動に寄与できるものと考える。
著者
川浦 稚代 青山 隆彦 小山 修司
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.55-66, 2005-03-15 (Released:2011-03-01)
参考文献数
17
被引用文献数
3 3

蛍光ガラス線量計とフォトダイオード線量計を設置した人体ファントム線量計測システムを用いて, 頭部一般撮影検査及び頭部X線CT検査における患者の臓器及び実効線量評価を行った。5種類の頭部一般撮影検査における脳線量は, 0.46~1.08mGyであった。水晶体線量は, 水晶体に直接X線が当たるような頭部正面 (AP) 及びタウン撮影法において最も高かった。また, 頭部一般撮影検査における実効線量は, 0.03~0.06mSvであった。一方, 頭部X線CT検査 (ルーチン検査) における実効線量は, 1.7mSvであり, 頭部正面 (AP) 検査よりも50倍以上高いことがわかった。急性脳梗塞の診断に用いられるPerfusion検査においては, 最大皮膚線量が712.0mGyとなった。しかしながら, その値は, ICRP Publ.59で提唱されている一時脱毛のしきい値3Gyよりも低かった。また, 頭部X線CT検査における水晶体線量 (ルーチン検査: 55.0mGy, Perfusion検査: 39.6mGy) は, ICRP Publ.60で提唱されている検知可能な水晶体白濁のしきい値0.5~2.0Gyよりも低い値を示した。