著者
青木 亮三
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.3, no.9, pp.711-716, 1961-09-30 (Released:2009-03-26)
参考文献数
5

大気中塵埃放射能の濃度を東京国分寺で1959年4月から1961年6月まで測定した結果, 60年および61年の春季増大(約4~5倍)を検出した。圏界面上放射能蓄積量の拡散降下による減少半減期は300~400日程度と得られた。 γ線スぺクトル測定解析によって, 1959年3月採集の試料から144Ce-144Pr, 106Ru-106Rh, 137Cs-137mBaを, 1960年2月~7月採集の試料から144Ce-144Pr, 106Ru-106Rh, 95Nb, 103Ruを検出した。スぺクトル解析に用いたシンチレータピーク効率にはウェル型NaIのcascade-sum効果を考慮した。
著者
青木 亮三
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.45, no.9, pp.621-628, 1990-09-05

脳は人間存在の根元に関わるものとして究極の興味ある対象であるが, まるで分かっていない. 高度の判断を司る神経線維の絡み合いは余りに複雑で, 実体の解析を拒否している. ところがその脳が全体として電気信号を発している, しかも, それが驚くほど単純な波形で観測されている. 多数の構成要素からなる系の単純な集団振動, これこそは相関の強い多体系として, 物理学研究者にとって好個の対象と考えられる. いままで生体については, ともすれば性急に物理的概念を当てはめようとしたり, 手近の解析的手法をそのまま応用することが試みられてきたが, この解説から対象に即した新しい観方やアプローチが触発されれば幸いである.